出産直後に髪の毛が抜ける現象のことを産後脱毛といいます。女性の多くが経験するのですが、大量に髪の毛が抜けてボリュームが無くなってしまうことが少なくありません。容姿も大幅に変化してしまいます。
こちらではなぜ産後脱毛といった抜け毛が増える、といった症状が出る理由。いわゆるメカニズムをお教えします。さらに、産後脱毛に育毛剤はどのような効果を発揮してくれるのか、副作用はないのか、といったことについてもお話します。
現状で産後脱毛に悩んでいる方はもちろんですが、現在妊娠中の女性も必見です。
この記事で分かること
産後の抜け毛のメカニズム
女性ホルモンの低減が影響している
妊娠中と出産後で大きく異なっているのが女性ホルモン量です。妊娠中は女性としての機能がしっかりと発揮されなければなりません。だからこそ大量に女性ホルモンが分泌されます。
しかし、出産をしてしまうと、その女性ホルモンが必要なくなります。ですから、一気に女性ホルモンが体内から減る、といった現象が起こるのです。
そこで気になってくるのが、なぜ女性ホルモンが減ると抜け毛が増えてしまうのか、ということです。そこを知るためには女性ホルモンの働きを知らなければなりません。
女性ホルモン減少で抜毛が増えるのはなぜ?
男性と女性で大きく異なっているものに、髪の毛の成長期の長さが有ります。実は、男性よりも女性のほうが髪の毛の成長期が1年程度長いことが分かっています。
- 男性の髪の毛の通常の成長期間・・・3年から5年程度
- 女性の髪の毛の通常の成長期間・・・4年から6年程度
要は、女性ホルモンには髪の毛の成長期間を伸ばす、といった機能があるのです。もちろん髪の毛はいずれ抜けてしまうのですが、その間隔が長くなります。
妊娠中は特に女性ホルモンが大量に出ているので、髪の毛は成長をし続けます。抜ける予定だった髪の毛も抜けないで成長を続ける、といった状態になるのです。妊娠中に髪の毛がほとんど抜けない、といった体験をした方も多いでしょう。
一方で、産後になると女性ホルモンが急激に減ります。妊娠中に女性ホルモンによって成長期間を引き伸ばされていた髪の毛が一斉に抜けるのです。その結果、ボリュームが一気に無くなってしまい、薄毛に悩む、といった状態になってしまうわけです。
ストレスの影響も考えられる
産後すぐに始まるのが育児です。今まで未経験だった事態にも対応しなければなりません。その結果、ストレスが溜まってしまうのです。
ストレスによる血管収縮で栄養不足に
ストレスが溜まってしまうと、血管が収縮してしまいます。血管が収縮してしまうと、髪の毛に送しられるべき栄養が足りなくなってまいます。髪の毛が成長しないで抜けてしまう、といった現象が起こりかねません産後のストレスも産後脱毛を助長しているのです。
産後脱毛は自然に回復するのか?
自然治癒する可能性はあります。ホルモンバランスが大きな影響を与えているので、産後にホルモンが安定すれば、通常の状態に戻るでしょう。
しかし、回復するまでに数年間の時間を要してしまう方もいます。さらに、薄いままの状態になってしまう方もいるので、自然治癒を待つというのはあまりおすすめできません。なるべく対策を立てて実行すべきです。
自然治癒よりも育毛剤ケアを
その対策方法としては育毛剤がおすすめです。育毛剤には様々な効果があり、産後脱毛にも対応してくれます。
ちなみに産後脱毛の自然治癒確率は、66.6%(「薄毛の化学」日刊工業新聞社)といった指摘がされています。約4割近い方が産後脱毛の影響で薄くなり続けてしまうのです。近年では、高齢出産も増えてきているので、そのまま更年期障害に突入して薄いままになってしまう、といったケースが増えています。
母乳を続けながら育毛剤を使用できる?
育毛剤が母乳に与える影響はなし
産後の抜け毛対策としては育毛剤がおすすめですが、その理由の一つに安全性が有ります。育毛剤を利用すると、母乳に何かしらの影響が出てしまうのではないか、と思っている方もいるかも知れません。しかし、母乳に何かしらの悪い成分が混じってしまう、といったことは考えられないのです。
天然成分配合が目立つ女性用育毛剤
女性用育毛剤のほとんどは、天然エキスを利用しています。たとえば、植物から抽出したものを利用しているのです。天然成分であれば母体にも影響は与えにくいわけですし、仮に母乳へ入り込んだとしても、赤ちゃんに何かしらの悪い影響を与えてしまうようなことも考えられません。
無添加である部分にも注目です
添加物が含まれている育毛剤を利用してしまうと、アレルギー症状などが母体に出てしまう可能性があります。アレルギー症状が出てしまうと、母乳の栄養素が低減してしまう可能性もあるのですが、女性用育毛剤のほとんどは完全無添加です。添加物を一切利用していないので、母乳に影響を与える可能性も少ないといえます。
※添加物は頭皮環境を悪化させてしまう恐れがあります。育毛剤でありながら、かえって薄毛になってしまうリスクまであるのです。だからこそ、多くの育毛剤が完全無添加に舵を切っています。
育毛剤は母乳を続けながらでも利用できる、といったメリットがあります。心配している方も多いと思いますが、天然成分を利用した無添加タイプの育毛剤を選択すれば、何も心配ありません。
産後の薄毛改善を早める育毛剤
産後脱毛に対処するには、安全性の高い育毛剤でなければなりません。一方で、効果の無い育毛剤を選んでは意味がありません。
こちらでは、安全性が確保されつつも効果もしっかりと期待できる、産後脱毛に機能してくれるタイプの育毛剤を紹介します。
副作用や強い刺激の少ない医薬部外品
育毛剤と行っても二つのタイプに分かれていることを知っているでしょうか。
- 医薬部外品タイプの育毛剤
- 化粧品タイプの育毛剤
医薬部外品とは、厚生労働省が効果を認めている成分を使っていることを指しています。化粧品に関しては、特に育毛効果が認められている成分を使っていません。
要は、高い効果が期待できるのは医薬部外品タイプ、ということになります。国の公的機関が、効果があると認めている成分を含んでいる点は見逃せません。
ただ、医薬部外品と聞くと副作用があるのではないか、と思ってしまうでしょう。医薬とついてしまうと、ミノキシジルやフィナステリドのような副作用の多いものを想像してしまうのです。
安心して欲しいのが、あくまで育毛剤である、という部分です。前述したミノキシジルやフィナステリドは男性型脱毛症に効果的と言われている成分んおため、女性用育毛剤には含まれていません。医薬部外品タイプであっても、あくまで天然エキスを利用しているのです。
【厚生労働省が認めている育毛成分例】
- ミノキシジル・・・発毛成分で育毛剤には含まれていない(発毛剤のみに含まれている)
- センブリエキス
- オウゴンエキス
- エビネランエキス
- M-034
上記のうち、ミノキシジルは医薬系育毛剤の発毛剤に含まれているので除外するとして、気になるのが「M-034」だと思います。科学的なネーミングで、危険性がありそうに感じてしまうかも知れません。
しかし、M-034は海藻類に含まれているエキスを抽出したもの。天然由来成分なので、特に副作用が報告されているわけでもありません。高い安全性が確保されている成分なのです。
ミノキシジル以外の育毛成分ですが、頭皮に塗布したとしても刺激を与えてしまうようなことはありません。中には、センブリエキスのように保湿機能があり、かえって頭皮環境を良くしてくれる、といったものもあるのです。
産後脱毛を早期改善させるためには、頭皮環境を改善させる、といったことも極めて重要です。安全性の高い育毛剤を継続利用していきましょう。
どのような効果効能がある育毛剤を利用すべきか?
【血行促進作用がある育毛剤を利用すべき】
産後脱毛の抑制や早期回復に一役買っています。血行促進作用のある育毛剤を利用すれば、髪の毛に送られる栄養が多くなるのです。髪の毛に送られる栄養が多くなると、髪の毛の成長期間が伸びるのではないか、といった専門家からの指摘もあります。産後脱毛の抑制効果が期待できるわけです。
産後の脱毛から復活するには年単位で見守りが必要
もう一つ注目して欲しいのが産後脱毛からの復活スピードです。産後脱毛に陥ってしまうと、復活するまでには1年から2年はかかります。さらに4年から5年以上かかってしまうケースも多く報告されているのです。
そこで血行促進作用のある育毛剤の出番です。血行を促進して髪の毛に栄養が送られる状態にすれば、まずは毛母細胞が活性化します。髪の毛を作りやすい状態になるのです。髪の毛の成長スピードが増す、といったことも考えられるので産後脱毛からの復活も早くなる、と考えられるわけです。
【安全性が高く、お肌を整える機能がある育毛剤を利用すべき】
頭皮に負担をかけないタイプの育毛剤が必須です。産後脱毛の原因でもある女性ホルモンの低減ですが、頭皮にも一定の影響を与えてしまいます。ホルモンバランスが乱れると、お肌トラブルが起こったりしませんか。頭皮もお肌であることには変わりがないので、炎症が起こってしまうことも考えられるのです。
安全性の高い育毛剤を利用すれば、ホルモンバランスの乱れによる頭皮環境の悪化を抑えることが可能です。さらに、保湿機能があったり、抗炎症機能があったりする育毛剤もおすすめです。肌トラブルの症状を抑えられるので、髪の毛が生えやすい環境にしてくれます。
【女性ホルモンをサポートしてくれる成分が含まれている育毛剤を利用すべき】
産後脱毛は女性ホルモンが減ることにとって発生してしまうので、育毛剤でその女性ホルモンをサポートすることが必要です。育毛剤の中には、女性ホルモンと似た作用のある成分が含まれているものもあります。それらを利用することで、女性ホルモンの低減が抑えられる可能性があるのです。
女性ホルモン的な作用がある成分としては、
- ザクロエキス
- 大豆イソフラボン
- ヒオウギエキス
- プエラリアミリフィカ
などがあります。それらが含まれている育毛剤を利用する、といった方法も産後脱毛対策にはおすすめです。
※女性ホルモン的作用ですが、僅かにしかないとの報告もあるので、効果はほとんどないのではないか、との指摘があることも付記しておきます。
産後抜け毛に特化した、おすすめの育毛剤選び
”育毛剤選び”で間違わないように
産後脱毛対策として育毛剤を利用することになります。育毛剤の中には、男性の薄毛に特化したものもあり、男性型脱毛症対策ができる、とされています。産後脱毛で悩んでいる女性が、これらの男性型脱毛症対策に特化した育毛剤を利用しても効果は期待できません。
男性型脱毛症と産後脱毛は全く事なる原因なのです。だからこそ、産後脱毛対策に特化した育毛剤を利用する、といったことが重要です。選択を誤ってしまうと、単にお金と時間を無駄にしてしまうことになるので注意して下さい。
化粧品タイプの育毛剤、安全性は高いけれど効果はイマイチ?
女性用育毛剤には、化粧品タイプも多くあります。まったく効果が期待できないわけではありませんが、厚生労働省に認められている育毛成分が含まれていませんので、残念ながら高い効果は期待できません。化粧品タイプの育毛剤は気休め程度の効果しかない、とされているのです。
化粧品タイプの安全性は高いのですが、効果がなければ意味がありません。ある程度安全性があり効果も期待できる医薬部外品タイプの育毛剤チョイスがおすすめです。
育毛剤選びのポイント
どのような成分が含まれているのかを確認して下さい。産後脱毛対策には、血行促進や頭皮環境改善が欠かせません。それらの効果が期待できる育毛成分が含まれているのか、といった事を確認すべきです。
ちなみに、育毛剤の多くに含まれているセンブリエキスには血行促進作用と保湿作用の二つがあります。血の巡りをよくさせるだけでなく、頭皮環境改善作用も期待できるお得な成分なのです。
塗布後の刺激が頭皮に影響を与えます
育毛剤を塗布した時に頭皮に刺激を感じるか否かも重要な判断材料です。刺激を感じるということは皮膚に何かしらの影響が出てしまう可能性があります。刺激があると、頭皮環境に問題が発生してしまうので、なるべく刺激が少ないタイプの育毛剤を選択して下さい。
育毛剤は継続的に利用しなければ意味がありません。だからこそ、育毛剤の価格も重要なのです。利用しやすい価格帯の育毛剤を選択して下さい。ちなみに男性用育毛剤に比べて、女性用育毛剤は安価に設定されているものが多いです。比較的継続しやすい価格帯のものが大勢を占めています。
※初回割引制度や定期購入割引制度がある育毛剤も多いです。