育毛剤の効果は大きく分けて三種類
ミノキシジルを使った「リアップ」(大正製薬)や「プロペシア」(万有製薬)など、医薬品系の育毛剤以外にも、育毛剤や養毛剤には薄毛に働きかけるさまざまな効果があります。
育毛剤や養毛剤の効果は大きく分けて3種類。それぞれの内容と有効成分を紹介します。
※ミノキシジルやプロペシアに関する詳細は「有効成分を比較」をどうぞ。
1.「毛母細胞を活性化」して、頭皮の代謝アップへ
髪の毛を作り出している毛根部分に直接働きかけて、毛母細胞を活性化させるタイプです。髪の毛が薄くなるのは、発毛にアプローチする毛母細胞の働きが弱っているから。新陳代謝を高めることで、薄毛を予防・回復させ、発毛を促します。
この毛母細胞に働きかける成分は、話題の『M-1発毛育毛ミスト』や『ポリピュア』などに多く含まれています。
ビチオン(ビタミンH) | ビタミンB群の一種です。毛母細胞を活性化させ、脱毛だけでなく白髪にも作用します。 |
ペンタデカン酸グリセリド | 脂肪酸(油)の一種です。毛母細胞の細胞分裂を活発にさせる作用があります。 |
ニンニクエキス | ニンニクの鱗茎から抽出されたエキスです。毛根神経と毛母細胞を活性します。 |
ローヤルゼリーエキス | ハチミツから採取するローヤルゼリーエキスには、アミノ酸やビタミン、ミネラルなどの成分が豊富。毛母細胞の活性化が期待できるだけでなく、多くの化粧品にも配合されているほど美肌へのアプローチが注目されている成分です。 |
酵母エキス | パンやお酒などで知られる酵母から抽出した酵母エキス。高い栄養素の集合エキスで、アミノ酸やビタミンB、核酸がバランスよく含まれています。そのため頭皮細胞の修復や保水、血行促進による発毛促進、脱毛抑止へのアプローチが期待できる成分です。 |
チクセツニンジン | 朝鮮人参と同じように薬用人参に分類されているチクセツニンジン。血流に働きかけるほか、毛母細胞へと栄養の運搬を行い活性化に一役買っています。国産のトチバニンジンの茎や根を乾燥させています。 |
2.「頭皮の血行促進」が、育毛に繋がる栄養を運びます
血行促進タイプの育毛剤は、頭皮の血流に働きかけることで発毛にアプローチします。現在出回っている育毛剤の主流がこのタイプであり、血液には栄養と酸素を身体じゅうに行き渡らせる働きがあるので、血流の促進により頭皮や毛根へも十分に栄養を運搬。栄養が満たされた毛母細胞からの発毛を期待するものです。
血流を促進する育毛成分の主流がミノキシジル
血流促進タイプの育毛成分の中でも、主に海外で使われているのがミノキシジルであり、育毛剤として認知され始めている国内でも広まり始めています。ただ し、植物成分などから抽出されているセンブリエキスやニンジンエキス、トウガラシエキスに比べると副作用が気になるところでもあるので、十分に把握してか ら使用するのがおすすめです。
センブリエキス | 日本固有の生薬で、毛根を刺激し、発毛を促す作用があります。もともと漢方薬のひとつで、脳に伝わる刺激から末端神経に伝達され毛細血管の流れが良くなることから、発毛へのアプローチが期待されています。 |
ミノキシジル | 高血圧患者の血液降下剤として使われていた薬の副作用として、発毛や育毛へのアプローチが見られたことから、育毛分野でも取り扱われています。血管を拡張する作用により血流促進へと働きかけます。 |
トウガラシエキス | 主成分はカプサイシン。発汗を促したり、血行を良くする作用があります。 |
アルギニン | 成長ホルモンの分泌を増やす作用がありエイジングケアへの期待が高まる成分。同じように血管拡張作用があることから育毛促進作用も期待されています。 |
ニンジンエキス | 頭皮を改善し、発毛を促す血行促進作用や保湿作用が期待できます。 |
塩化カルプロニウム(カロヤン) | 副交感神経の刺激剤であり、毛細血管は副交感神経の刺激により拡張することから注目されています。血管を拡張して毛根に栄養や酸素を運び、発毛へと促します。発汗や悪寒、かゆみ、刺激感、熱感といった副作用が見られる場合もあります。 |
3.「皮脂分泌」にアプローチ
フケやかゆみは毛穴を詰まらせ発毛環境を悪化させるシグナルです。大きな原因の1つが頭皮の過剰な皮脂分泌。また酸化した皮脂は過酸化物質となって、毛根にダメージを与えかねません。そのため皮脂分泌を抑えることで、脱毛や薄毛の予防へと導きます。
皮脂分泌のケアには保湿も大切です
逆に、発毛環境にダメージを与えかねないほどの過剰な皮脂分泌は、頭皮環境の乾燥も考えられるため、保湿に働きかける褐藻エキスのような成分も大切になってきます。
イオウ | 余分な皮脂を除去する作用があります。たんぱく質やアミノ酸の構成要素でもあります。 |
ビタミンB6 | 皮脂の過剰な分泌を抑える作用があります。皮膚の新陳代謝も促します。 |
カシュウ | ドクダミの根を乾燥した生薬です。毛根の余分な油を取り除き、毛穴の詰まりを防止します。 |
褐藻エキス | 昆布やワカメ、もずくといった褐藻類に含まれているぬめり成分で、保湿作用に優れています。頭皮の保湿ケアをしながら乾燥する頭皮へと働きかけることで、皮脂分泌にアプローチします。 |
その他の有効成分と効果は!?
その他にも抗酸化作用と活性酵素を取り除く作用がある『ビタミンE』や、男性ホルモンを抑制するタイプなどがあります。女性にはあまり関係ありませんが、男性ホルモンを抑制し女性ホルモンを増やすことで薄毛の原因を取り除くものです。