ダイエットをすると、肌荒れが起きやすくなってしまう、といった経験をした方は多いと思います。実は、肌トラブル以外にも薄毛に見舞われてしまう方が少なくありません。
ダイエットが原因の薄毛改善に適切な方法とは? ダイエット後に抜け毛がひどくなってしまったり、毛が細くなってコシがなくなってしまったり、といった状態に陥っている方は必見です。ダイエットで薄毛が発症してしまう原因についても解説します。
この記事で分かること
ダイエットで抜け毛や薄毛が起こるのはなぜ?
栄養不足によって髪の毛の成長が阻害される
髪の毛は勝手に生えてくるものではありません。血液によって毛母細胞に栄養が運ばれます。そして毛母細胞が髪の毛を生成することになるのです。
問題となってくるのが、ダイエット中は栄養不足の状態になってしまう、ということです。近年のダイエットは、基本的に食事制限をします。ダイエットを開始する前よりも、体内に入ってくる栄養が少なくなってしまうのです。その栄養の中には、髪の毛に必要であったものも含まれています。
【髪の毛の成長に欠かせない栄養素】
- タンパク質
- 脂肪
- ビタミンA、ビタミンE
- 亜鉛
- ヨードなど
特に髪の毛の生成に必要とされているのがタンパク質です。髪の毛の主成分となっているので、摂取量が減ってしまうと髪の毛の生成ができなくなってしまうのです。
お肉のたんぱく質・脂肪は適量の摂取が必要です
ダイエット中は特にお肉の摂取量が著しく少なくなります。お肉には脂質が含まれているので、太りやすい食べ物と思われがちで、お肉の食べる量を減らす方が多いわけです。結果的に身体がたんぱく質不足の状態に陥ってしまい、薄毛が発症してしまうのです。
脂肪に関しては、髪の毛にとって功罪の両方があります。脂肪を一定量摂取すると、髪の毛の生成がされやすい特徴があります。一方で摂取しすぎてしまうと皮脂が大量に分泌されてしまい、頭皮環境が悪化するので注意しましょう。
血行不良に陥って薄毛が発症する
血行の良し悪しは、髪の毛の成長に大きく関わっています。
- 血行が良い・・・髪の毛が成長しやすくなる
- 血行が悪い・・・髪の毛の成長が阻害される
ダイエットを行うと食事制限を実施することによって、血行を促進させる栄養素(ビタミンEやビタミンAなど)の摂取量も少なくなります。
さらに注意したいのが、食事制限をすることで身体の活動量が少なくなってしまうことです。動きたくなくなってしまい、家からでなくなってしまう、といったケースも多く報告されています。身体を動かさなくなれば、血行も悪くなってしまうので注意して下さい。
代謝低下も薄毛の大きな原因に
飢餓モード、といった言葉を聞いたことがありませんか。飢餓モードは、食事制限をしたダイエットで起こりがちなのですが、摂取するエネルギーが少なくなってしまう事を指しています。飢餓モードに入ると、われわれの身体は消費を制限してしまうのです。エネルギーを消費しないような状況になってしまいます。
食事制限での飢餓モードで、髪の毛の栄養も激減
エネルギーが消費されないということは、髪の毛への栄養も送られなくなります。さらに、髪の毛に大きく関わっている頭皮の新陳代謝も悪化。いつまでも古い皮膚状態のままになってしまいかねません。長期間の食事制限は身体だけでなく、髪の毛にも大きな影響を与えてしまうのです。
ストレスによって髪の毛が抜ける
ストレスには血管を収縮する、といった恐ろしい作用があります。要は血行を阻害して、髪の毛に栄養を送りにくい状態にしてしまうのです。栄養が送られなくなった髪の毛は、成長がストップして抜けてしまうことがあります。生えてきたとしても脆弱な産毛のような毛ばかり、といった状態になりかねません。
ダイエットでは、太っていることを気にするあまりストレスになっているケースと空腹によるストレスがあります。どちらも由々しき事態を招きかねませんので注意しましょう。
抜け毛をもたらすダイエットとは
食べ物限定ダイエット
- りんごしか食べない
- トマトしか食べない
- バナナしか食べない
上記のようなダイエットを聞いたことはありませんか。実際に行った経験がある方も多いでしょう。たしかに、それらの食べ物自体は健康的なものかもしれません。しかし、摂取できる栄養素は限られています。すると栄養が偏ってしまい、身体の機能に大きな問題が生じます。
特に注意したいのがたんぱく質不足です。果物や野菜を中心とした食べ物限定ダイエットが行われることが多いのですが、それらの食べ物には髪の毛の主成分であるタンパク質がほとんど含まれていません。薄毛になってしまうのも当然、といったダイエット法なのです。
水分不足の状態を作り出すダイエット
極めて良くないダイエット法なのですが、水分を摂取しない、といったものがあります。むくみに悩んでいる女性が、水分の摂取量を制限するダイエットを行うケースがあるのです。
ただ、水分の摂取量を減らすダイエットは、むくみ解消に何の意味もありません。むくみの原因は水分を多く摂取しているからではないのです。※かえって水分不足がむくみの原因になることもあります。
水分不足の血液はドロドロに……
水分の摂取量を制限してしまうと、血流が悪くなります。いわゆる、ドロドロの血液になってしまうのです。血行が悪くなってしまえば、髪の毛に送られる栄養が少なくなってしまいます。最終的には、脳梗塞や心筋梗塞が起こってしまうかもしれません。
体内水分が減ると保湿機能の減少も
水分の摂取量が少なくなると、身体の保湿機能も奪われてしまいます。頭皮が乾燥状態になってしまえば、髪の毛が抜けやすくなってしまいます。頭皮環境が悪化して、髪の毛に栄養が送られにくい状況になりかねません。
高負荷の無酸素運動ダイエット
重い負荷をかけているような筋トレを行うダイエットは、大きな問題をもたらしてしまいます。もちろん普段から行っている方で慣れているのであれば問題ありません。しかし、身体に対して急激な負荷をかけるとストレスをもたらしてしまいます。
運動をしている時は血流もアップしますが、その後にストレスが発生して血管が収縮してしまいます。髪の毛に栄養が送られにくい状態になってしまうのです。抜け毛が増える原因となってしまいます。
男性の中には筋トレをすると男性ホルモンが増えて男性型脱毛症が発生してしまうのではないか、と思っている方もいるかもしれません。その心配、実はほとんどありません。男性型脱毛症の原因は男性ホルモンのテストステロンではなく、酵素の5αリダクターゼです。5αリダクターゼは高負荷の運動をしたからといって分泌量が増えたり活性度合いが高まったり、といったことはないのです。
ダイエットしながらできる抜け毛対策法
育毛剤を利用する
育毛剤には、髪の毛を健康的な状態にする機能があります。ダイエットをしていたとしても育毛剤を利用すれば、ある程度は薄毛のリスクを回避できる、と考えれます。
ただ、きついダイエットを行っている場合には、いくら育毛剤を利用したとしても高い効果は得られません。ダイエット方法の見直しも検討すべきです。
食べ方の見直し
バランスの良い食事をする、といったことが一番大切です。体内で使われる栄養のサイクルを考えたら、野菜や果物も食べる必要がありますし、お肉や炭水化物も摂取すべきなのです。
ただ、お肉や炭水化物を過剰に摂取しすぎればば、太ってしまいます。肥満は薄毛にも密接な関係があるので、避けなければなりません。そこで注目して欲しいのが、食べる順番です。
【おすすめの食べる順番】
- 野菜や海藻類を食べる
- お肉などのタンパク質(魚を含む)
- ご飯やパンなどの炭水化物
重要になってくるのが、最初に野菜を食べる、ということです。最初に野菜を食べることで食物繊維を摂取することになります。食物繊維を摂取するとインスリンや血糖値の上昇を抑える、といった効果が得られるのです。その結果、炭水化物や脂質のようなカロリーの気になる栄養成分の吸収を抑えることが出来るのです。
食べる量を減らさなくても、食べ方さえ工夫すれば健康的にダイエット成功へと導けるチャンスが有ります。
ちなみに炭水化物には腸内で膨らむ作用があるものもあります。腸内で膨らめば、満腹感が増しますから、食べ過ぎを抑制する効果にも繋がるわけです。
水分補給はこまめに行うこと
水分を摂取することは、髪の毛にも良い効果をもたらします。さらにダイエット効果も期待できます。
水分を摂取することで血液の流れが良くなり、便通にも働きかけます。さらにデトックス効果も得られます。水分が体外に排出される時に毒素も一緒に出ていくことになるのです。お肌が綺麗になる作用も期待でき、髪の毛の成長にも寄与してくれます。
水分の補給は定期的に実施しましょう。特に冬場は喉の渇きに気づきにくいので、喉が渇く前に飲むのがおすすめです。
半身浴のダイエット効果と育毛効果
半身浴を行うことで、体温を上昇させられます。体温が上昇することで生み出される効果が新陳代謝のアップです。要は、痩せやすい体質が得られるのです。
血管が拡張されて全身で栄養が消費されやすい状態になります。特に冷え性の方は血流の流れが滞り栄養が消費されにくい状況なので、半身浴は効果的です。新陳代謝が良くなり全身に栄養が送られるようになると、髪の毛にも良い効果がもたらされます。薄毛の改善にも大いに関わってくるのです。
新陳代謝は年齢とともにダウンしてきます。薄毛の原因となっていることもあり、半身浴を定期的に実施するのがおすすめです。※半身浴中は水分が失われてしまうので、お風呂場にペットボトル等に入れた水を持ち込みこまめに摂取しましょう。
それでも抜け毛が気になるときは……
ダイエットをストップし育毛剤を利用すべき
対策を立てても薄毛状態を維持してしまっている場合は、体質に問題が出ている可能性があります。体質を変えるには時間がかかります。継続して前記した対策方法を実施して下さい。
生活習慣を整えてから育毛剤使用を
一方で、生活習慣のみの対策では効果が弱いと言わざるをえません。そこで育毛剤の併用をおすすめします。注目して欲しいのは、あくまで生活習慣対策を実行したうえで育毛剤を利用する、といったところです。
ダイエットによる薄毛は、生活習慣を変えたことが原因で発症したのです。メインの対策方法は生活習慣となります(場合によっては育毛剤がメインになることも)。
育毛剤には、生活習慣対策をサポートしてくれる機能があります。たとえば、保湿成分が含まれているので頭皮にうるおいをもたらしてくれます。血行促進成分が含まれているので、髪の毛に栄養を送り込みやすくなるのです。
食事制限などのダイエットは即時中止しよう
ダイエットは容姿や健康のために行うことが多いと考えられます。けれど、結果的に髪の毛が抜けてしまっては本末転倒。
食事制限系のダイエットに関しては中止が必要です。身体に負担をかけるだけなので、良いことは一つもありません。しかも、食事制限系のダイエットは圧倒的にリバウンドがしやすいのです。
ダイエット中に発生する抜け毛ですが、栄養不足のシグナルなのです。いまの栄養では髪の毛も維持できない、といった事を伝えています。
食事制限で体の栄養が少なくなっている場合は、サプリメントの利用をする、といった方法もあります。ただし、サプリメントで摂取できるのはビタミンやミネラルが中心です。エネルギー源の炭水化物や髪の毛の主成分であるタンパク質の摂取は、やはり食べ物から行うべきなのです。
症状によって抜け毛ケアをしよう
ダイエットによる薄毛ですが、どのように薄くなっているかでケア方法を変える必要があります。
【髪の毛が全体的に少しずつ薄くなっているケース】
血行不足の可能性が高いですから、半身浴がおすすめです。さらに血行促進成分が多く含まれている育毛剤の利用も検討しましょう。
育毛剤を塗布する時ですが、頭皮マッサージによる頭皮の血行促進もおすすめです。
【頭皮に肌荒れが起きているケース】
保湿成分が含まれているタイプの育毛剤がおすすめです。ダイエット中の肌荒れですが、水分不足による乾燥が影響している可能性が高いでしょう。
また、頭皮に炎症が起きている時も育毛剤の利用がおすすめです。育毛剤の中には、抗炎症作用のある成分が含まれていることも珍しくありません。塗布すれば炎症が起きにくくなったり、改善したり、という期待ができます。
【前頭部や頭頂部など局所的に薄くなっているケース】
男性の場合は、男性型脱毛症が発生しています。ダイエットが原因で起こっている薄毛ではない可能性があるので、生活習慣対策では治りません。
男性型脱毛症対策ができるタイプの育毛剤での対策をおすすめします。
【抜け毛が多くなっているケース】
頭皮ケアを実施して下さい。ダイエットをストップして栄養を補給するのはもちろんですが、早急な頭皮環境の改善が大切です。
頭皮環境改善作用のある成分が含まれている育毛剤はわりと多いので、高い効果が得られやすいです。