ひげそり育毛の基礎知識

毛を剃ると太くなって生えてくる?

ひげそり

髪の毛や体毛など毛はカミソリで剃ると「濃くなる」だとか「太くなる」という噂をみなさんもこれまでに聞くことがあるのではないでしょうか。とはいえ実際に毛を剃ってみると必ず太く濃くなって生えてくるものなのでしょうか。
ここでは毛をカミソリなどで剃った場合太くなったり濃くなってしまうものなのか、毛が生えるメカニズムとともにその実態を詳しく見ていきましょう。

毛は剃ると太くなる?毛が生えるメカニズムとは?

毛は「毛周期」という一定の周期を守りつつ生えてきて、ある程度の期間を経ると自然に抜け落ちていきます。ですので健康な人でも一日につき50本から100本程度は毎日抜け落ちているものなのですが、それ以上に多くの毛が育っていることから頭髪の場合は一定の量がしっかりと保たれるようになっています。
また目に見えて生えている毛がすべてではなく、休止期の毛が次に生えるためにスタンバイしているような状態になっていますので、たとえ仮にカミソリなどで毛を剃り落としてしまってもすぐに翌日には毛が生えてきて目に見て確認できるような状態になります。

毛周期の流れ

毛周期は以下のような流れを一定の期間ごとに繰り返すようになっています。

成長初期 → 成長期 → 退行期 → 休止期 → 成長初期 …

毛周期

成長期の髪の毛は女性の場合ですと4年から8年ほど、また男性の場合でも3年から6年ほどと言われていますので、健康な状態の毛であれば数年の間は頭皮にあるということになります。
しかしこういった周期が何らかの原因によって狂ってしまうと、生えてくる毛よりも抜け落ちてしまう毛のほうが上回ってしまい、薄毛になっていくということなのです。

毛を剃ると太くなった気がするのはなぜか?

毛を剃るとほとんどの方が次に生えてきた毛のほうが太くなったように感じるものです。これはどうしてなのでしょうか。

毛の形状による見え方の違い

実際に毛をカミソリなどで剃ってみると、毛穴部分にブツブツと毛の色が目立つようになります。さらにこれが数日して生えてきた段階でも剃る前よりも目立つように感じる方がほとんどなのではないでしょうか。ではなぜ毛を剃ったらその後に生える毛が太くなったように見えるのでしょうか。
これは毛の形状を考えるとわかりやすく理解しやすいものです。毛は生えてくるときは毛根部分の太さそのままに生えてくるのですが、長く伸びてくると毛先は毛根に比べてだんだんと細くなっています。いわば剃ってすぐに生えてくる毛のかたちは「円柱状」であり、長くなっている毛は「円錐状」で毛先が細くなっているために、生えてきたばかりの毛が太く見えてしまうということなのです。
ですので実際に生えてきた毛がこれまで生えていた毛に比べて太くなった、ということではないのです。

毛の色合いによる見え方の違い

また毛は生えてくるときは毛根部分からメラニン色素で色がしっかりとついた「黒色」で生えてくるのが一般的なのですが、長くなってくることでだんだんと毛先に向かってメラニン色素が薄くなり「茶色」のような色が薄い状態になることが多いものです。
そういったことから剃ったあとすぐに生えてきた毛はより色が濃いために、太く濃くなったような印象を受けます。このように毛の根元の色合いと毛先の色合いの黒さの差でも、太さや濃さをより感じやすくなることがあるのです。

毛を剃ることで実際に太く濃くなるケースも?

特に体毛を剃ったときに見た目だけでなく、実際に太くなったり濃くなってしまった経験をお持ちの方も実は多少はいるようです。基本的には毛を剃るという行為で太くなったり濃くなることはないと言われているのに、これはどうしてなのでしょうか。
一説によると「毛をそることで肌に刺激を与えてしまった」ことが原因となりその後生える毛が太くなったり濃くなるケースがあるようです。毛は基本的に人間の体のなかで「守るべき部分に生えている」ものですので、剃ったときにその刺激から守らなければ、という指令が細胞に働いて毛が太く濃くなるケースは実際に多少はあるようです。

毛を剃って育毛するというのは問題あり!

実際に行われたある大学においてのマウスを使った実験で、体毛を剃ってその後の毛の生え方を確認したところ、そのデータでは一時的にはおよそ5%から10%程度体毛が太くなったという結果が発表されたことがあるそうです。これもやはり先ほど触れたように毛を剃る刺激に対する「防御反応」と言えるものからだそうで、毛を剃って育毛をするという考え方にまでは結びつくものとは言えないでしょう。

頭皮への適度な刺激は血行を促進することにつながり、毛が生えてくるということは考えられますが、従来行われていたように育毛剤を使いブラシで頭皮をたたくようにして刺激するというのも、現在では育毛につながるほどの根拠はないと言われています。むしろ過度に刺激してしまうと頭皮や毛根部分を傷つけてしまいますので逆効果になることも考えられます。
カミソリで剃ると場合によっては頭皮が切れてしまい血がにじんでしまうこともありますし、そこから雑菌が入って炎症などのトラブルを起こすことも考えられます。毛を剃って育毛するという考え方はおすすめできるものではありません。

剃る以外に毛を太く濃くする方法はあるのか?

剃ることが刺激となって一時的に太く濃くなるケースがあるということは確認できましたが、剃る以外に毛が太く濃くなる方法はあるのでしょうか?

抜いて毛を太くしようと考えるのも高リスク

毛抜きなどで毛を抜くと太い毛が生えてきたり濃くなるという噂がありますが、これも剃るのと同様に刺激を与えたことが影響して太い毛が生えるというケースは考えられます。これは毛根部分から無理やり毛を抜き取ったことで毛細血管が修復されていく際により太い血管が再生された場合に、栄養が以前よりも多く送られるようになることが稀にあるからだそうです。
とはいえこれも一過性のものですので育毛にはつながるとは言い切れないものですし、毛を抜くと「潜り毛」になったり毛穴が炎症を起こすなどさまざまなトラブルにつながるリスクのほうが高まりますのでおすすめはできません。

男性ホルモンが増えると毛は太く濃くなる

毛が生えるのには「男性ホルモン」が深く関係しています。ですから女性であっても男性ホルモンの分泌が活発なかたは体毛が濃い傾向があります。また男性でヒゲが濃いかたは男性ホルモンが多いタイプと考えられていますが、薄毛に関しても男性ホルモンが酵素と関わることによりさらに強い男性ホルモンに変化することで進行するため、生活習慣や食習慣のバランスを取りつつバランスよく男性ホルモンを増やすように心がける必要があります。
男性ホルモンを増やすには以下のようなことを心がけるとよいと言われています。

  • 闘争本能や競争意識を持つ
  • 肉など良質なたんぱく質中心の食生活を送る
  • ヤマイモなどのネバネバしたものや、にらやニンニクなど滋養強壮によい食材を摂る
  • 筋力トレーニングを行い体を鍛える
  • 亜鉛やDHEAをサプリで補う
  • 高麗人参など滋養強壮系の漢方薬を補う

毛の太さ減少・薄毛につながる男性ホルモン減少の原因

これらとは逆に男性ホルモンが減少してしまう要因は以下のようなものがあります。このようなことを知っておきつつ日常生活のなかで問題がないか気を付けるようにしましょう。

加齢による減少

男性ホルモンが最も多く分泌されるのは「20代」でありその後だんだんと加齢により減少していきます。ただしその減り方には個人差があるため急激に減ってしまうかたもいれば、緩やかにだんだんと減少していくというかたもいます。40代くらいであっても男性ホルモンの減少が激しいかたもおり、場合によっては男性の「更年期障害」を発症することもあります。
普段から生活のリズムを整え食事などにも気を遣うことが、より男性ホルモンを急激に減少させないポイントになります。

ストレスによる減少

仕事や人間関係などでストレスがかかりやすい状況のかたは、一般的なケースよりも男性ホルモンの減少が早まる傾向があります。これは男性側の不妊にもつながる場合もありますので、できるだけストレスがかからないような生活を心がけることが大事です。あまり神経質にならずおおらかに物事をとらえるように心がけ、ストレスで減りがちなビタミンCやビタミンEなどもサプリで補うと良いでしょう。

不摂生による減少

また男性ホルモンの増減は食生活の乱れや睡眠不足、タバコを吸うといった生活スタイルも大きく影響を受けるものです。運動不足も影響がありますので日ごろから規則正しい生活を送り、食事のバランスを整え、適度に運動をするといったことを心がけて男性ホルモンが減っていくのを防ぎましょう。

育毛のためには毛を剃るのではなく生活習慣の改善がポイント

毛を剃ると太くなったり濃くなったりするというのは、必ずしも100%そうではなく刺激による一時的なものと考えるのが正解のようです。ですから育毛のために毛を剃るというのはナンセンスであり、おススメできるものではありません。育毛を考えるなら男性ホルモンが適度に分泌されるよう健康的な生活を送ることを考えるのがポイントといえます。
食生活のバランスを整えつつたっぷり睡眠をとり、ストレスをうまく逃がしながら過ごすことが結果的に育毛につながっていくポイントといえそうです。