ツボ育毛の基礎知識

育毛に効く!8つのツボで頭皮の血行を改善

ツボ

育毛にはツボ押しが効果的?!

最近、薄毛の進行が気になっているものの、なるべくお金をかけずに改善したいと思っている方や、本格的な薄毛治療を開始したのでさらに効果性を高めていきたいと思っておられる方には「ツボ押し」がおすすめです。今回はツボ押しと育毛の関係性についてご紹介します。

ツボとは何か?

ツボは経穴(けいけつ)とも呼ばれ、体内に361ヵ所あります。
「ツボを押すと体にいい」とよく言われますが、ツボとは何なのでしょうか?端的に言うと「体内で神経が集まっている場所」または「指圧することで脳に信号がダイレクトに伝わる場所」と定義できます。
古代から民間療法として取り入れられており、育毛だけでなく、二日酔い、腰痛、糖尿病などにも効果的です。

ツボ押しで血行促進

「ツボ押し」が「育毛」に効果的な理由の一つは「血行促進」です。髪の構造を理解すると血行促進の重要性が理解できます。
髪の根元には毛母細胞があり、これが活発に細胞分裂を繰り返すことで髪は発毛・育毛します。細胞が分裂するためには血液を通して栄養素や酸素が十分に届けられる必要があります。血行不良になると、ビタミンや酸素などの栄養素が毛根に届かず、新陳代謝が低下し毛母細胞の分裂が阻害されます。
ツボ押しには血行促進の作用があり、特に頭部の血行促進を図ることによって髪の発毛・育毛効果が期待できるのです。

ストレスを緩和するツボ押し

ストレスを抱えると血行が悪くなり自律神経が乱れ、交感神経が優位になってしまいます。それによって血管の収縮が起こり、頭皮への血行が悪くなるのです。
ツボの指圧でストレス緩和や自律神経が整えられ、育毛効果が生まれます。

育毛には効くツボは8つある!

全身に点在しているツボを的確に刺激することで育毛効果が期待できます。
頭皮だけでなく肩・首・全身の血行を良くすることで、自律神経を整え、リンパの流れが改善されます。効果を引き出すためには、毎日数分、気持ちよく続けることが大切です。

  1. 百会(ひゃくえ)|頭頂部から血行促進
  2. 天柱(てんちゅう)|首や肩の凝りに
  3. 風池(ふうち)|デトックス効果で育毛を促進
  4. あ門(あもん)|質のいい睡眠をサポート
  5. 角孫(かくそん)|健康を促進する「万能のツボ」
  6. 湧泉(ゆうせん)|足裏から育毛を促進
  7. 陽輔(ようほ)|側頭部の育毛に
  8. ふ陽(ふよう)|頭頂部の育毛と頑固な肩こりに効果的

百会(ひゃくえ)|頭頂部から血行促進

頭頂部にある「百会」は育毛効果が最も期待されるツボの一つです。このツボは、両耳から頭頂部まで延長線を引き、鼻から頭頂部にかけて伸ばした線の交点にあり、親指を両耳に入れ、中指をそのまま真っすぐ頭頂部まで持っていくと見つけることができます。
百会は血行促進だけでなく、不眠、冷え、めまい、ストレス、頭痛に効果的です。
健康な頭皮の場合、軽く押すと痛みを感じます。頭部には神経が張り巡らされているため「押すと痛い」のが当然です。
しかし、頭皮環境が悪いと頭皮が固くなっており、血行が悪いため強く押しても痛みを感じない場合があります。
指圧の際、頭皮の硬さも一緒にチェックしましょう。カチカチの頭皮は、髪が十分に成長できず薄毛になる可能性が高くなります。
また、弾力がなくブヨブヨな場合はリンパの流れが悪くなっている証拠かもしれません。
効果:血行促進・頭痛
場所:頭頂部

天柱(てんちゅう)|首や肩の凝りに

「天柱」は後ろ髪の生え際にある、2本の大きな筋肉の外側のくぼみにあり、肩や首のコリを改善して頭部への血行を良くしてくれます。疲労感やストレスを緩和する効果も高く、皮脂の分泌量を抑える働きもあります。
デスクワークでの肩こりやストレスを感じている人におすすめです。
時間に余裕があれば、蒸しタオルを天柱付近に当てて温めてあげると、コリがほぐれリラックスできます。
効果:肩こり・疲労改善
場所:首の後ろ。髪の生え際

風池(ふうち)|デトックス効果で育毛を促進

「風池(ふうち)」は天中よりも親指一本分外にあり、血行促進、肩や首の凝り、頭痛緩和、疲労回復などの効果があります。
肩や首が凝ると、新陳代謝が低下し、老廃物が体内に溜まりやすくなり、頭皮にまで悪影響が及びます。デトックス効果で育毛を促進します。
効果:血行促進・肩こり
場所:首の後ろ。髪の生え際

あ門(あもん)|質のいい睡眠をサポート

血行促進や首の凝り、後頭部の頭痛、鼻水、鼻血などに効果的です。
加えて、交感神経を適度に刺激して整えてくれるので、育毛に不可欠な質の良い睡眠もサポートしてくれます。
名前の由来ですが、失語症などの言語障害を治療する時に使われるツボなのでこのように呼ばれているようです。
場所は後頭部の中央、うなじの生え際から少し上がったくぼんだ所です。頭を後ろに倒すと見つけやすくなります。あ門、天柱、風池は近い場所にありますから、親指で順番に刺激してあげると効果的です。
効果:首の凝り・不眠
場所:天柱より真ん中のくぼみ部分

角孫(かくそん)|健康を促進する「万能のツボ」

「角孫(かくそん)」は「万能のツボ」ともいわれているので、血行促進、抜け毛予防、頭痛、目や耳の病気予防など、健康促進に効果的です。
場所は耳の一番高い場所の裏側です。両中指を百会に、親指を角孫に置いて両手のひらでつかむように力を入れて押します。
効果:血行促進・頭痛
場所:耳の裏側

湧泉(ゆうせん)|足裏から育毛を促進

育毛に効果的なツボは頭部だけではありません。足の裏には体全体に通じる「反射区」と呼ばれるもツボ地帯があり、頭部とも繋がっているため育毛に効果的です。
特に、全身の血液循環を良くする「湧泉(ゆうせん)」は、足裏のセンターポジションからやや足先に向かった場所で、人差し指と中指の骨の間のくぼみ部分にあります。「土踏まず」の少し上にあります。
疲労回復、冷え、血行促進の効果があります。押すと心地よい痛みを感じるでしょう。
効果:疲労回復・血行促進
場所:土踏まずの少し上

陽輔(ようほ)|側頭部の育毛に

「陽輔(ようほ)」は胆経のツボで「絶骨」とも呼ばれており、骨髄の病に効くと言われています。
外くるぶしから指5本分(約8cm)上にあり、側頭部の育毛促進が期待できます。最初はかなりの痛みを感じるかもしれませんが、慣れてくると心地よい痛みに変わります。
効果:側頭部への育毛
場所:くるぶしから約8cm

ふ陽(ふよう)|頭頂部の育毛と頑固な肩こりに効果的

このツボの場所は、陽輔と同じく、外くるぶしから指4本(約6cm)上の高さで、ふくらはぎにある骨とアキレス腱の境目にあります。
東洋医学における指圧の理論においては「健康な髪を作るツボ」しても知られており、特に頭頂部への育毛に効果的です。
また、頑固な肩こり改善の効果もあり、頭部への血行促進を促します。
効果:頭頂部への育毛・肩こり改善。
場所:くるぶしから約6cm

ツボ押しは本当に育毛に効果的なのか?

「ツボを押すだけで髪が生えるのか?」と思った方もいるかも知れません。
結論から言って、ツボを押すだけでは育毛効果は期待できません。あくまでもツボ押しは日ごろの育毛習慣に付随するものです。
しかし、大学や専門機関の研究結果によると、確かにツボ押しが育毛に効果的あることが実証されています。そのいくつかをご紹介します。

近畿大学の治療実験で発毛効果が

近畿大学は円形脱毛症の治療のために漢方薬と鍼灸治療を実施し、百会や風池などのツボを刺激して血行促進を図ったところ、7回の治療で発毛効果が認められました。
確かに、漢方薬との併用ではありますが7回の治療で効果が得られたということは、ツボと育毛の関係性を裏付けています。

明治鍼灸大学と総合臨床医学研究所の研究結果

明治鍼灸大学と総合臨床医学研究所の共同研究で、ツボと育毛の関係性について調べた結果、抜け毛の要因と言われている「自律神経の乱れ」「血行不良」を鍼灸治療によって改善することが可能である、という研究結果が出ました。

これらの研究によって「ツボと育毛の効果性」が実証されたことは、薄毛に悩んでいる人にとって大きな希望です。

しかし、先ほども書いたようにツボを押したからと言って自動的に必ず育毛効果があるわけではありません。他の育毛習慣と併用することで効果を発揮することを覚えておきましょう。

効果的なツボの押しで育毛促進

育毛効果を引き出すには、効果的なツボ押しを知る必要があります。ツボ「押し」といっても単に押せばいい、というものではないのです。効果的な方法をお伝えします。

コツは「やさしく、ゆっくり」

ツボを押すときには「やさしく、ゆっくり」を心がけましょう。
指圧する時は指の腹を使います。最初から急激に指圧するのではなく、ゆっくりと3~5秒程度力を入れ、同じく3~5秒程度で力を抜いていきます。長時間、同じ場所を指圧すると筋肉などを傷つけてしまう可能性があります。
棒を使って指圧する方法が推奨されている場合がありますが、強く押しすぎて皮膚を傷つけてしまう場合があるので、専門医以外は指で行なう方が良いでしょう。「痛いけど気持ちいい」と思える程度に指圧します。
筋肉がリラックスするので、ゆっくりと息を吐きながら指圧しましょう。「ながら指圧」だとついつい力が入ってしまったり、呼吸が止まってしまうので、意識を集中して行ないます。

ツボを押してはいけないタイミング

育毛に効果的なツボ押しですが、指圧してはいけないタイミングがあります。
例えば、ツボの周辺に「炎症や傷があるとき」に指圧すると、症状が悪化する可能性がありますので完治するまで指圧は控えましょう。
また、食後や飲酒時にツボを押すと、消化不良を起こしたり、血流促進作用によってアルコー
ルが回りやすくなってしまいますから、飲食後30分以内は控えた方がいいでしょう。
加えて、発熱など体調がすぐれない時も控えて下さいね。

「ツボを押し」と「頭皮マッサージ」

ツボを押しながら頭皮マッサージを加えるとさらに効果的です。頭皮マッサージも基本的にはツボ押しと同じです。「やさしく、ゆっくり」行なうことで頭皮の血行促進が促されます。
この場合も、テレビ等を見ながらではなく、集中して行なうことで高い効果が期待できます。

ツボ押しを毎日の育毛習慣にプラスα

ツボ押しは、あなたの育毛習慣に付随するものですから、定期的に根気強く行い続けることで効果が発揮されます。
実際、薄毛が改善されるまでには長い期間が必要になります。
育毛だけでなく、肩こり・ストレス・身体の健康に役立つ「ツボ押し」を今日から取り入れてみるのはどうですか。