妊婦女性向け育毛法

妊婦でも育毛剤は使える?妊娠女性にNGな育毛剤/適した育毛剤の選び方

妊婦

おめでたは夫婦にとってもその親族にとっても、これほど喜ばしいものはない瞬間です。
でも希望してもなかなか授かれないご夫婦もいますし、誰でも必ず妊娠できるとは限りません。また母体には妊娠中も細心の注意を払う必要がありますが、それでも体調を崩したり、ホルモンバランスが大きく乱れることもあります。

体調やホルモンバランスの変化で妊娠中に急に抜け毛が増えるのはよくあり、多くの妊婦さんが経験していることです。この記事では、子供がお腹にいる妊婦さんも育毛剤が使えるものなのか?また妊婦女性が使うべきでないNG育毛剤の見分け方、また妊婦に適した育毛剤の選び方について見ていきましょう。

妊婦が育毛剤を使う場合は必ず成分の確認を!

妊娠中は妊婦さんの体そのものに細心の注意を払う必要がありますし、授かった赤ちゃんに必要な栄養素が行き渡るように、また問題を起こすようなものを体内に取り込まないようにしたいものです。

しかし妊婦の時期はおめでたいことではあるものの、些細なことでナーバスになったり、つわりで体が辛くて寝込んでしまう人もいるほど、大変な場合もあります。そういった体調の変化とともにホルモンバランスが崩れる、急に髪が抜けてしまうといったトラブルが起こることも実は意外に多くあることです。

とはいえ髪が抜けたからといって安易に育毛剤を使っていいものなのでしょうか?実は育毛剤の中には妊娠中に使うべきでないとされる成分が配合されたものもあります。妊婦は特に育毛剤の使用を検討する段階で、配合されているものをしっかりと確認したうえで「慎重に使う必要」があります。

妊婦は避けたい育毛剤のNG成分

妊婦の時期の抜け毛を対策したいと考える場合で、育毛剤のなかの成分で避けておくべきものはどういうものなのか確認してみましょう。

香料

一般的な育毛剤には香りをよくするために「香料」が含まれていることがありますが、この香料にもいろいろあり特に赤ちゃんから避けたいものは「合成の香料」です。とはいえ裏書の成分表を見ても合成の香料なのか天然のものなのか判断が難しいものですので、香料と書いているものをできる限り避けるのが無難といえそうです。

保存料

育毛剤の品質を安定させるために必要とされ、保存料が入っているものもあるようですが、合成のものは科学的な物質と言えますので飲用など体に直に入れるわけではなく肌につけるだけですが、極力避けたほうが無難といえます。センシティブな肌の方は「パラベン」「フェノキシエタノール」などの表示は避けることをおすすめします。

合成着色料

着色料も天然のものであればそこまで神経質になる必要はないですが、化学合成された物質の場合は肌トラブルの原因ともなりえますので避けるべきです。母体側の肌などがセンシティブになることが赤ちゃんへの影響を及ぼすリスクもないとは言えませんので避けるほうがよいでしょう。

合成の界面活性剤

ラウリル硫酸Naなどという表示で記載されているものが合成の界面活性剤です。ヘアケア製品などにも含まれているものが多いですので、育毛剤だけでなくそういった商品もチェックするのがより望ましいでしょう。

合成の酸化防止剤

またこれもそうですが科学的に合成された酸化防止剤も刺激になるケースがあるため、妊婦さんは避けていただく方が無難です。表示としては「BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)」などがこちらに当たります。

ミノキシジル

ミノキシジルが育毛に効果があるということはテレビのCMなどでなんとなく理解している方が多いはずです。
でも実はこの成分はもともとは循環器系の病気のための薬として開発されたもので、そもそもはアメリカで降圧剤として開発されたものなのです。血管を拡張させる作用を持つものなのですが、これを患者さんに使っているうちに、「副作用的に」増毛することがあったことで、育毛剤として使われるようになった経緯があります。

またこの成分は成人にならないと使ってはいけないとされている強いものなので、妊婦が使うにはリスクがあると考えておくべきです。
あるアメリカの調査によると、奇形児のリスクが高まるというデータや、男性は精子そのものの数が減少するとか精力減退といった話もあるそうですので、避けるのが無難です。

フェナステリド

AGAの治療を行う育毛剤で有名な「プロペシア」に含まれる有効成分である「フェナステリド」も妊婦さんは避けるべきです。
育毛には有効な成分ですが、ホルモンに影響を与えることで効果が期待できるものですので、一説では妊婦さんが男の子を身ごもっている場合に胎児の男性器の形成に影響があるとも言われています。

AGAなどで抜け毛はDHT(ジヒドロテストステロン)という物質の分泌が原因と言われています。フェナステリドは、ホルモンに作用してこうした物質の分泌を抑制する薬剤であることから、ホルモン関連のリスクにもなり得ると考えられています。

母親だからこ、リスクのない製品を選ぼう

避けられるリスクは一つでもなくしておきたい、それが母親の気持ちではないでしょうか。自身の育毛のためにリスクのある製品を使うのはやめておくに越したことはなさそうです。

香料や合成保存料、合成の界面活性剤などはシャンプーやボディソープにも含まれているものもあります。妊娠中は、こうした日用品も、天然由来の製品に切り替えるのも抜け毛対策と母子の健康のケアにつながるかもしれません。

また、ミノキシジル・フェナステリドはいわゆる育毛剤によく含まれている「有効成分」です。「有効成分が入っていない育毛剤は効かないのでは?」と心配されるかもしれませんが、妊婦さんの場合は意識して避けるのが良いでしょう。

男性用育毛剤は妊婦は避けるのが無難!

最近では男性だけでなく30代くらいの比較的若い女性でも、髪のボリュームに悩む人が増えています。こうした傾向をふまえ、近年は「女性用育毛剤」というジャンルが増え、たくさんの種類の育毛剤が発売されています。

もちろん男性用の育毛剤もたくさんあり「男性用のほうが有効成分が多くて効きそう!」などと考えてこっそり使っている女性もいるようです。

でも妊婦さんの場合は、先にも触れましたが男性育毛剤の有効成分は胎児への影響が気になるものが入っているものもあります。効き目が大きいということはそれだけ「身体への刺激が強い」ということでもあります。男性用育毛剤の使用は避けましょう。

妊婦が使える育毛剤は無添加で低刺激なもの

妊娠中の女性の抜け毛対策のために使う育毛剤は、女性用育毛剤のなかでもさらに「無添加」そして「低刺激なもの」がオススメです。

天然由来の有効成分は以下のようなものがあります。

  • センブリエキス
  • 漢方薬のカンゾウ由来のグリチルリチン酸ジカリウム
  • ビタミンE誘導体である酢酸DLαトコフェロール

このようなものを主成分とする、低刺激なタイプの育毛剤をチョイスすれば、お腹の赤ちゃんにも影響を与えることなく安心して育毛を進めていくことができます。

妊婦の抜け毛対策!育毛剤をより有効にするポイント

妊娠期間は赤ちゃんが生まれるまで10か月ほどもあり、その間にはお母さんの体にもさまざまな変化が現れます。

つわりによる眠気、食欲の変化、嗜好の変化などこれまで考えたこともなかったような経験をするのが妊婦さんです。そうした変化とともに抜け毛が増えるとさらに精神的にも不安定になってしまうことになり、赤ちゃんにも良い影響は与えません。抜け毛でお悩みなら適切な育毛剤をチョイスし、早めにケアするのも大事なことと言えます。

また、妊娠中に抜け毛が増えるのは体質の変化という理由があるものです。そういったこともふまえ育毛剤を使いつつ効果的に抜け毛対策をするポイントをおさらいしておきましょう。

1. 生活習慣を整える

育毛剤は抜け毛の対策としては有効ですが、それ以外の部分に問題がある場合せっかくの効果が半減することも考えられます。

特に妊娠中は普段とは異なるさまざまな体調は精神的な変化があり、今までできたことができなくなってイライラするといったことも起こります。精神的な不安定から睡眠不足になったり、食事の時間がまちまちになるなどすると、ホルモンバランスは乱れやすくなり、当然、髪にも悪影響が及びます。

まずは育毛剤の利用とともに、生活習慣を見直して整えることを始めてみましょう。生活習慣の改善でストレスを減らし、髪への影響を少なくできれば、育毛剤との相乗効果も期待できます。

2.シャンプーやボディソープなど自然派のものに切替える

妊娠中は体がとてもデリケートになっているので、今まで相性が良かったシャンプーやボディソープが合わなくなることも考えられます。

さらに育毛剤をせっかく天然由来の優しいものを使っても、シャンプーに合成界面活性剤など刺激を与える成分が入っていると育毛剤の効果がダイレクトに届いてくれないかもしれません。

できればこういったヘアケアラインなども再確認するほうが良いでしょう。

3. 髪は気持ち短めにして優しい育毛剤でケアを行う

女性の長く艶やかな髪は魅力的ですが、妊娠中、特に妊娠後期から出産後はさまざまな変化があり、そこから子育てが始まると、もはや自分の髪の毛をあれこれ構ってはいられなくなります。

また長い髪は存在感も抜け落ちた時の強く、抜け毛がより気になりますし、髪をひっ詰める(結ぶ)ことで毛根に負荷がかかり「圧迫性脱毛症」になってしまうケースもあります。

長い髪ほど重力がかかり抜けやすくなるのも事実です。自身が納得できる範囲で短めにしたうえで、天然の優しい育毛剤でケアしてみましょう。髪が短いだけでも抜け毛の量が減る傾向がありますし、抜けた髪を見ても短いとそれほどでもないように感じられ、精神的にもラクになり気持ちがかなり軽くなります。

4.食生活を改めて見直してみる

妊娠中は鉄分やたんぱく質などお母さんの体にも必要な栄養素が、どんどん赤ちゃんに優先されて運ばれます。

そういったこともあって髪まで栄養が渡り切らず結果的に抜け毛が進んでしまうこともひとつの要因と言えます。妊娠中は普段よりかなりしっかりとバランスよく栄養を摂る必要がある時期ですので、普段の食生活のバランスも改めて見直しつつ、育毛剤を併用することもおススメします。

栄養分が潤沢に行き渡るような食生活が送れると、赤ちゃんもお腹のなかで元気にすくすく大きくなりますし、お母さんも元気にマタニティライフが過ごせ、髪まで栄養が届くようになります。育毛剤だけに頼りっきりにするのではなく、食事もしっかりと体に良いものを摂るようにしましょう。

5.抜け毛のことを深く悩まない

妊娠中…特に初めての妊娠の場合は自分の体の変化や無事赤ちゃんが生まれてくれるのか…などなど、いろんなことを不安に感じたり悩んだりするものです。

でも母親の気持ちや精神状態は知らず知らずのうちに胎児にも影響を与える可能性もありますし、そういう不安が抜け毛の要因の一つとなっている可能性もあるかもしれません。

ですのでできるだけ穏やかに些細なことで神経質にならず、抜け毛のことも極力深く悩まないようにしましょう。

妊婦でも使える育毛剤はある!
でも、まずは生活環境の見直しを

抜け毛トラブルに悩む妊婦さんでも使える育毛剤の選び方・対策について見てきました。

成分によっては赤ちゃんに影響が出てしまう可能性もあります。育毛剤選びは慎重に行うことが重要です。
また生活の見直しによっておおらかな気持ちで過ごすことができるようになれば、抜け毛のこともあまり気にならないようになり、結果、育毛剤の効果が向上することも期待できます。