薬剤師育毛剤の種類

体内に取り込む! 内服する育毛剤

薬剤師

内服タイプの育毛剤は医薬品とそうでないものがある

育毛剤には種類があり、塗るタイプの外用薬と飲むタイプの内用薬のように、様々に利用できるものが存在しています。種類や成分によって得られる効果や用途、副作用、そして価格も千差万別。例えば外用薬だと、有効成分のミノキシジルを含有している大正製薬のリアップが有名でしょう。

一方で薬として体の中に入れる内服薬の育毛剤は、医薬品として扱われているものとサプリメントのような医薬品以外のものがあります。

内服する2タイプの育毛剤。医薬品は処方箋が必要です

医薬品タイプの内服育毛剤は簡単に手に入るものではなく、医療機関で診察を受けて処方してもらう必要があります。副作用の出る可能性は高くなりますが、その分高い効果が期待できます。 サプリメントのような医薬品以外のタイプは手軽に入手できる反面、効果そのものは医薬品には及びません。

体内からじっくりアプローチ。医療機関取り扱いナシの内服薬はネット購入もOK

内服タイプの場合、身体の内側からじっくりと働きかけるため、目に見えるような効果があらわれるまでには多少の時間がかかります。そして医薬品扱いの場合、医療機関で処方される必要があるのですが、残念なことに保険適用外となっています。ですから全額自己負担となり、思った以上に費用がかかってしまいます。

医療機関で扱われていない内服する育毛剤を入手する場合は、個人輸入代行業者に依頼するかネットショップなどを利用する必要がでてきます。

内服タイプの育毛剤には3つの種類がある

飲む育毛剤には大きくわけてフィナステリド、ミノキシジル、サプリメントや内服液などの3種類に分かれています。

AGA治療薬の「フィナステリド」系内服タイプ

フィナステリドの効果「5αリダクターゼの働きを阻止」します

フィナステリドは男性型脱毛症(AGA)の治療薬として使用されている医薬品です。元々は前立腺系の治療薬として使われており、その過程において発毛効果を確認。育毛治療薬として開発されました。

男性型脱毛症(AGA)を促進してしまう原因の一つが男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)。ジヒドロテストステロン(DHT)は男性ホルモンの一種であるテストステロンと酵素である5αリダクターゼが結合することで産生されます。フィナステリドは、この5αリダクターゼの働きを阻害する効果があり、ジヒドロテストステロン(DHT)の産生を防御します。

フィナステリド系内服タイプの育毛剤は「プロペシア」

フィナステリドを主成分にもつ代表的な内服薬は、アメリカ製の先発医薬品「プロペシア」です。そして「プロペシア」のジェネリックと言われているものが、インドメーカーによる「フィンペシア」。

「プロペシア」の特許機関は2019年ですが、インドでは生薬工程のみでの特許法が適用となるので、先発の「プロペシア」と同じ有効成分の後発医薬品を開発できたのです。とはいえ「フィンペシア」は、「プロペシア」の正式なジェネリック医薬品ではありません。けれど成分や効果、安全性の面から見ても、ジェネリック相当と認識されています。

ちなみに医療機関で「プロペシア」の処方を受けると1ヶ月約1万円かかりますが、「フィンペシア」なら1ヶ月700円台と、かなりの割安になります。

フィナステリドの副作用

性欲減退や頭痛、胃痛といった症状があげられています。使用できるのは成人男性のみで、女性は薬に触れることも禁止されています。特に注意したいのは妊娠中の女性で、本人ではなくお腹の胎児に影響が出ると言われています。

血行にアプローチなら「ミノキシジル」系内服タイプ

ミノキシジルの効果「血管拡張作用」による発毛があります

ミノキシジル」は元々血圧を下げるための薬でした。血圧のために取り扱われるうちに、血管拡張剤としての効果による発毛が副作用として確認されたため、育毛の薬として扱われるようになりました。

どのようなメカニズムが行われているのかというと、血圧を下げるには、血管を拡張させて血流を改善させる必要があります。この作用が発毛にも大きく関係しており、毛根内部にある毛乳頭が毛細血管から血流によって運ばれる栄養を吸収。それにより、毛髪生成の支持を毛母細胞に発信します。すると、活性化した毛母細胞が分裂し始めて毛髪生成が行われます。

ミノキシジル系内服タイプの育毛剤の商品

育毛剤の中で最強と言われるのが、「ミノキシジルタブレット」です。人気の商品で、前出しているフィナステリドを含有する「プロペシア」「フィンペシア」との併用が一般的な内服方法となっています。

「ミノキシジルタブレット」は、ミノキシジルを5mgや10mgほど含有している錠剤です。じつはジェネリック医薬品であり、先発の製品にはロテニンがあります。

ミノキシジルの副作用

全身のほてりやめまい、身体全体が毛深くなる多毛症といった症状があらわれる場合があります。また、元々高血圧用の治療薬ですので、使用することによって低血圧になる場合もあります。

サプリメントなど内服液系の育毛剤

医薬品ではないため副作用の心配はなく、安心して服用できます。その代わり、医薬品のようにはっきりとした効果などは立証されていません。