家系のなかにやや髪が寂しい男性がいる場合「自分もいつかこうなってしまうかも…」と心配になっているかたもいるのではないでしょうか。また「最近シャンプーするたび、髪が多く抜けているような気がする」と感じるようになった方は、やっぱり心配ですよね。
とはいえ健康な男性でも、髪は一定の量抜けるもので、ある程度の抜け毛はごく自然なことでもあります。
ここでは「対策が必要な男性の抜け毛」とは、どういった状況なのか、その要因や具体的な対策について、詳しくみていきましょう。
この記事で分かること
あなたは大丈夫?対策すべき「抜け毛」その見極め
冒頭でも触れたように健康な男性でも、ある程度の量の髪は「毎日」抜けています。ある程度の量であれば、それ自体特に問題ではないですし、取り立てて対策をする必要もありません。
とはいえどの程度抜けていると問題であり、対策が必要なのか?気になりますよね。
まずは対策すべき抜け毛とはどういうものなのか、確認しましょう。
抜け毛の量が「1日あたり100本以上」ある
健康な男性の抜け毛の量の目安は、1日当たり100本程度、といわれています。ですので1日に100本前後髪が抜けていたとしても、問題はないのです。100本というと、実際にかき集めてみると結構な量ですよね。
ですから抜け毛が目立つからといって、必ずしも問題ともいえないのです。
とはいえ、「実際1日に100本なんてどう数えたらいいんだ?」と思う方もいるでしょう。100本を超えて対策が必要な状態の抜け毛を見極めるにはこういったやり方が簡単です。
- シャンプーをしていて、排水口がすぐに詰まってしまう
- 朝起きると枕やベッドに抜け落ちた髪が明らかに目立つ
- 以前より感覚的に抜け毛の量が増えたと感じる
こういった項目に心当たりがある場合は、対策が必要と判断し原因を探りながら必要な策を講じていくべきといえます。
突然抜け毛が目立つようになったら要注意!
またこれまで全く抜け毛なんて気にもしなかったという男性も、急激に抜けた髪が目立つようになった場合は注意が必要です。例えば「円形脱毛症」などは、仕事や日常生活のなかで過度のストレスが生じた際などに、急に発症することがあります。
このようにこれまで全く気にならない状態だったのに、急激に抜け毛が増えるような場合は、何らかの「疾患」を疑う必要があるかもしれません。急激に抜け毛が増えた場合に考えられる疾患は以下のようなものがあります。
- 免疫疾患、ストレスや精神疾患による円形脱毛症
- 脂漏性皮膚炎による脱毛
- 性病の感染による梅毒性脱毛
- 男性性脱毛症(AGA)
急に抜け毛が目立つようになった場合で以上のような病名を見て心当たりがあるという方は、速やかに適切な医療機関を受診することをおすすめします。精神的な疾患や何らかの病気が潜んでいる場合は、いくらあれこれ対策を講じても根本治療とはなりません。
対策が必要な抜け毛の「外的要因」
次に目立ってきた抜け毛、対策を講じる必要がある抜け毛の外的な要因となるものを確認していきましょう。普段の暮らしのなかに抜け毛を引き起こす要因があれば、それをまず取り除くことが必要となるからです。
ストレスは抜け毛の最も大きな原因要素!
「現代はストレス社会」などと言われて久しいですが、このストレスが抜け毛には本当によくありません。なぜストレスで抜け毛が増えてしまうのか、簡単にご説明しましょう。
ストレスはホルモン・自律神経のバランスを崩す
男女関係なくホルモンバランスというものは、健やかな体には必須のもので、このバランスが崩れてしまうと、ここかしこに支障をきたすようになってきます。男性の場合は男性ホルモンの分泌が正常に行われなくなるなどし、頭皮にも悪影響となってしまいます。
これが進んでしまうと「男性性脱毛症(AGA)」にもつながっていくことになります。
さらにホルモンバランスとともに自律神経のバランスにもストレスは大きく関わっています。自律神経が乱れると、内臓機能も低下してしまうことになり、栄養素の取り込みがしっかりと行えなくなり、髪に必要な栄養が届かないことになってしまうのです。
血行が悪くなり、抜け毛が増えてしまう
ストレスは体内の血流の流れを大きく左右します。健康な体とは、柔らかくつまりのない血管をサラサラな血液がしっかりと循環することで保たれるものですから、ストレスによってこの循環が妨げられると、健やかな髪を生み出す毛根にも悪影響になることはいうまでもありません。
血液循環が悪化すると必要な栄養素が毛根に行き渡らなくなるため、抜け毛がどんどん増えてしまうことになります。
ストレス=睡眠不足、そして抜け毛に…
精神的ストレスを抱えているかたは、決まって「睡眠不足」となってしまっているかたがほとんどです。睡眠も健やかな髪の成長のためには必須要素といえますから、ストレスからよい睡眠が取れなくなると、結果的に抜け毛を引き起こすということにもつながってしまいます。
紫外線は老化、そして抜け毛を促進する!
女性なら気にかけている方が多いですが、男性のほとんどがノーマークな外的要因があります。それはずばり「紫外線」です。紫外線は肌を黒くするだけでなく最近になって「光老化」といって、活性酸素が増えることでシミやシワを増やす原因になることが分かってきました。しかもこれは頭皮にも同様に影響があり、頭皮の部分に活性酸素が増えることで頭皮そのものがダメージを受けて抜け毛を誘発してしまう、というのです。
対策必須な男性の抜け毛「ライフスタイル」チェック
対策すべき男性の抜け毛とその原因は外的要因だけではありません。外的要因のほかに大きく影響しているのがその人の「ライフスタイル」。ここでは抜け毛の原因となりえるライフスタイルの問題があるかどうかをチェックしてみましょう。
タバコを吸う、お酒をよく飲む
タバコを吸う方は、できることならやめることを強くおすすめします。タバコを吸うのがどうして悪いのか?これはさまざまなところでもよく言われることですが、以下のようなダメージがあるからです。
- 体内にニコチンをはじめシアン化水素や一酸化炭素といった有害物質を蓄積させる
- 歯周病や呼吸器、循環器疾患や潰瘍、がんなどを引き起こす要因となり頭皮にも悪影響
- ビタミンCをはじめビタミン類を破壊、血管を収縮させてしまう
- 悪玉コレステロールを増やす原因となり、髪が育つための栄養素が不足して薄毛に
またこれらのダメージを認識し禁煙にトライしようとすることも、逆にストレスとなるケースもあります。ですので最初からタバコは吸わない、というのが最も賢明といえます。
またお酒は少量ならそれほど気にする必要はないですが、量が過ぎると結局必要な栄養素が頭皮に行き届かなくなる要因になってしまうので、たしなむ程度を心がけるべきです。
食生活の偏り、食事時間が不規則
ファーストフードやコンビニ弁当、カップラーメンなどのジャンクフード、炭水化物や脂質多めの食事…もちろん薄毛、抜け毛の「大敵」です。髪にはさまざまな栄養素がバランスよく行き渡ることが大事ですので、こういった食生活を送っているとおのずと必要な栄養素が毛根に届かなくなり、髪は育たないことになってしまいます。
さらに「食事を摂る時間」も実は重要。これはなぜかというと、食事をする時間が一定でなければ体内時計が狂ってしまい、自律神経が乱れる原因となるからです。
髪は正しく洗ってる?寝具は清潔ですか?
以前朝シャンというのが流行った時代がありましたが、毎日のお風呂などの習慣も問題となっているケースがあります。髪を朝洗うか夜洗うかだけでも、実は影響があります。なぜかというと髪は眠っている間に栄養素が行き渡り、育つからです。疲れて帰ってきて思わずそのままお風呂も入らず寝てしまった、朝シャワーするからいいか、というのはNG。皮脂やホコリがついたまま眠ってしまうと、毛根が詰まり、栄養素も行き渡りません。
また枕やまくらカバー、寝具なども不潔な状態ですとせっかく夜お風呂に入って正しく髪を洗って清潔にしたとしても、眠るときに頭皮や髪にホコリや汚れが付くことになります。
男性の抜け毛を防ぐ、具体的な対策
ではいよいよ本題です。原因を理解したうえで、どのような対策を打っていくべきか見ていきましょう。原因を見てきたのでそれらを取り除いていくことが中心となりますが、それ以外の対策もありますので参考にしてみてください。
外的要因の除去、紫外線対策とストレス解消を
まずは外的要因で触れた紫外線対策、そしてストレスの軽減を進めましょう。頭皮も髪もなにも対策をしないと、紫外線の影響をもろに受けてしまい髪のツヤはなくなり、毛根もダメージを受けてしまいます。紫外線がきつい日は帽子をかぶったり、日陰を歩くようにするだけでも違います。この時使う帽子は通気性がよく蒸れにくいものがおすすめです。
ストレスに関しては仕事や日常のなかで取り除きにくい状況の方もいるかもしれません。でもできるだけ自身のなかで発散できるように努力をすること、これだけでもやらないよりは絶対に良いです。大声を出して発散できるかたは一人カラオケに行って存分に歌うだけでもいいですね。運動がお好きな方は運動して汗を流すのもよいでしょう。血行も促進され一石二鳥です。
お酒は控えて、タバコはやめましょう
お酒を飲むことがストレス解消になる方もいるかもしれませんね。そういった意味では楽しいお酒も抜け毛対策のひとつにはなりえます。でも先にも触れたように過度の飲酒はNGです。おつまみも刺激物は避けバランスを考えたものを取り入れ、ペースをゆっくり保ちつつ控えめにしましょう。
またタバコはできることならやめましょう。今では「禁煙外来」というものもありますので、ニコチンパッチなどを使いつつ無理なく進めていくことも可能です。タバコは抜け毛にとって100%吸わないに越したことはありませんので、他の健康リスクも含めてやめる努力をすべきです。
規則正しい生活を送りましょう
小学生のころから夜は早めに寝て早起きしなさいと言われたものですが、これはどんな年代になっても必要なことです。特に抜け毛が気になりだした男性こそ大事で、規則正しく眠り朝もいつもの時間に起きる、食事は毎日3食だいたい決まった時間に食べる…こうすることで体内時計が整い、自律神経のバランスも保たれていきます。
これはさらにホルモンバランスにも影響するポイントですので、できるだけ規則正しいライフスタイルを心がけることが大事。交代制勤務などで大変な場合もあるかもしれませんが、努力したいポイントといえます。
食習慣を見直し、改善を進めましょう
野菜や根菜などでビタミンやミネラル、肉や魚などたんぱく質類や脂質、米やパンなど適度な炭水化物を毎日適量摂るようにし、毎日毛根に栄養素が行き渡るようにしましょう。偏った食事は結局栄養も偏ることになるので、髪が育つのに必要な栄養が足りない、ということになります。髪に必要と言われるビタミンやミネラル、栄養素をサプリで補うという方もいますが、できることなら毎日の食事のなかでバランスを取るほうが良いです。
ご飯には雑穀を混ぜて炊く、簡単な鍋ものでお肉や魚、野菜を入れて食べる、安価な缶詰の魚を利用するという簡単な方法でもよいので、できるだけさまざまな食材をバランスよく摂ることを心がけましょう。
正しいヘアケアを行いましょう
先にシャンプーを夜するか朝するかといったことにも触れましたが、毎日の髪や頭皮のケアもとても大事なポイントです。自身の髪や頭皮にあった刺激が少ないシャンプーをチョイスして地肌を傷つけないよう、かつ洗い残しのないように洗うことが大事です。ここで毎日のシャンプーや頭皮ケアの正しい手順をご紹介しておきましょう。
- 髪と地肌をまずぬるま湯のシャワーで充分に濡らし、大まかな汚れを落とす
- 適量のシャンプーを取り泡立ててから、頭皮から髪に広げる
- 指の腹で優しくマッサージしながら、毛穴を意識して洗う
- 生え際や耳の裏、側頭部なども洗い残しのないように洗っていく
- ぬるま湯のシャワーですすぎ残しのないよう、しっかりとすすぐ
- 必要に応じてコンディショナーなどを使い、こちらもすすぎ残さないようにする
- タオルドライやある程度ドライヤーで乾かしたあと、育毛アイテムなどを用法に沿って使う
髪が濡れた状態で放置するのは実はよくありません。水分が残った状態が長く続くことで、髪そのものも摩擦などで傷みますし、頭皮に雑菌が繁殖するリスクもあるからです。
また髪や頭皮が濡れたままで眠ってしまうのもNGです。
必要に応じて育毛アイテムを使ってみる
正しいヘアケアのところで触れたように、育毛アイテムをうまく使うのも良いですね。有効成分が配合されたもので、自身の頭皮に合うものを選んで使いましょう。
ただし使う前の髪や頭皮のケアが間違っていると、期待している効果が得られなくなる可能性がありますので、毎日のケアもきちんと行いましょう。
疾患が疑われる場合は、速やかに受診すること
抜け毛の見極めのところで振れたような「疾患」が疑われる場合は、迷わず速やかにしかるべき医療機関を受診してください。またほかにも生活習慣病などを抱えている場合、そういったものが影響したり、その病気に対して処方されたお薬の影響で抜け毛が起こるケースもあり得ます。ですので何らかの疾患が疑われる場合はまず、原因を突き止めて治療を行うことが重要です。
男性性脱毛症(AGA)が疑わしい場合も専門外来がありますので、恥ずかしがらずに受診してみましょう。
男性の抜け毛、気になりだしたら即対策を!
ここまで男性の抜け毛の原因や外的要因や影響、そしてそれらの改善へ向けての対策を見てきました。健やかな髪は「健やかな身体に宿る」ものですので、普段のライフスタイルや食生活を改めて見直し、必要に応じて対策を取っていきましょう。