更年期障害になると髪の毛が大量に抜けてしまったり、地肌が露出してしまったり、といったことが女性にも起こってしまいます。中には、ウィッグの利用を考えている方もいるのではありませんか。しかし、ウィッグではなく自分の髪の毛を生やしたい、と思っている方も多いはずです。
こちらでは更年期障害による薄毛対策として、育毛剤の利用をおすすめします。どのような育毛剤を利用すると女性の薄毛が復活しやすいのか、といったことについても迫るので、育毛剤選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。
この記事で分かること
更年期に起こる薄毛のメカニズム
女性ホルモンの減少で、髪の毛の成長サイクルに乱れ
更年期障害を迎えると、女性は閉経へ向かいます。生理の時期も乱れ始めます。なぜそのような状況になるのかといえば、女性ホルモンが減少し始めるからです。
20代や30代前半までは女性ホルモンがたっぷりと分泌されているのですが、30代後半以降は減少に至ります。そして40代半ばくらいから、一気に女性ホルモンが減り始めてしまうのです。
女性ホルモンが減っていくことを更年期障害といいますが、実は女性ホルモン自体が髪の毛のサイクルに大きな影響を与えています。ホルモンバランスが乱れると、毛周期がおかしくなってしまうのです。
【髪の毛のサイクル】
- 成長期(髪の毛が伸びる)
- 退行期(髪の毛の成長がストップする)
- 休止期(髪の毛が脱毛する)
髪の毛の成長と抜け毛には3つの状態があり、何度も繰り返されるサイクルで成り立っている特徴があります。一生涯にわたり繰り返していくサイクルになるのですが、更年期障害といった状態になると、状況に大きな変化が現れます。
女性ホルモンには髪の毛の成長期を延ばす、といった作用があります。
よく分かるのが妊娠期だと思います。妊娠期の女性は髪の毛が抜けにくくなります。その理由は、女性ホルモンが大量に分泌されて、髪の毛の成長期が延ばされることで抜けなくなるからです。出産すると、女性ホルモンは一気に少なくなります。そうすると、髪の毛が大量に抜ける産後脱毛のような症状が出てくるわけです。
女性ホルモンが髪の毛にいかに大きな影響をあたえるのか、といったことが分かってもらえると思います。
更年期障害で女性ホルモンが減ることによって、髪の毛の成長期間が通常よりも短くなります。その結果、薄毛が発症してしまうのです。
女性ホルモンが影響を与える血行
女性には冷え性が多いです。その冷え性が特にきつくなってしまうのが、更年期障害以降とされています。
なぜ更年期障害が発生すると冷え性になるのかといえば、女性ホルモンが低減することによって血行が悪くなってしまうからです。女性ホルモンの役割には血行を良くする、といったものもあります。しかし、更年期障害で少なくなってしまうので、血行に大きな影響が与えられてしまいます。
髪の毛は血液によって栄養を送られて生えてきます。血行が悪くなれば髪の毛が生えにくい状態となってしまい、結果的に栄養不足な細くて短い毛しか生えてこない、といった状態になりかねません。
更年期障害による女性ホルモンの低減は、毛のサイクルだけでなく、髪の毛に対する栄養にも問題を与えてしまうのです。
抜け毛症状の特徴
更年期障害に陥った女性は薄毛になりやすいです。こちらでは、更年期障害時の起こりがちな抜け毛の症状についてお話します。
抜け毛の量が増加する
女性ホルモンが少なくなることにより、髪の毛の成長期間が短くなります。通常は4年から6年間は髪の毛が伸び続けるのですが、その期間が2年から3年になってしまうこともあるのです。
抜ける頻度が高くなることになるので、今までよりも髪の毛が抜けるペースが早くなっていくのです。
シャンプー時に髪の毛が大量に抜ける- ブラッシング中に髪の毛がよく抜ける
- 枕に髪の毛がたくさん付いている
40代以降になると、更年期障害の症状が出てきていないとしても上記のような症状がどうしても出てきてしまうのです。その場合は、女性ホルモンの低減による薄毛の症状が出てき始めている可能性があるので十分に注意してください。
抜け毛が少し増えている時点で対策を実施すれば、回復する可能性は極めて高いでしょう。一方で、対処が遅れてしまえば薄毛のままになってしまう可能性もあります。
抜け毛に細い毛や短い毛が多い
抜け毛に細い毛が混じり始める理由ですが、更年期障害によって女性ホルモンが減り、その影響で血行が悪くなっている可能性があります。
髪の毛にたっぷりと栄養が送られている状態であれば、太くてたくましい髪の毛が生えてきます。しかし、血行が悪くなって栄養が髪の毛に行き渡らない状態になってしまうと、当然髪の毛は細くなってしまうのです。
髪の毛にコシがなくなってきた、といった事を感じ始めたら、細毛化が始まっていると見て間違いありません。
短い毛が抜け毛に混じるといったケースですが、女性ホルモンの低減が直接的に栄養を与えていると考えられます。女性ホルモンには髪の毛の成長期を延ばす作用があります。しかし、減ってしまうことで髪の毛の成長期が短くなってしまうのです。今まではずっと伸び続けていたものが途中で成長をやめてしまい、結果、脱毛してしまいます。
抜け毛に細い毛や短い毛が混じりだしたら、すでに薄毛の症状は始まっていると捉えてください。それらの軟弱な抜け毛が大量に発生する前に適切な対策を立てるべきです。
更年期の薄毛に必要な育毛剤の働き
更年期障害に陥っている女性におすすめしたい育毛剤ですが、3つのテーマがあります。
- 女性ホルモンのサポート
- 血行の促進(髪の毛への栄養補給)
- 保湿対策
上記の3つの機能を持った育毛剤を利用することが必須となってきます。
抜け毛の増加を食い止めるために女性ホルモンをサポートしよう
更年期障害による薄毛の原因は「女性ホルモン」です。しかし、女性ホルモンが減ってしまうのはしかたのないことです。閉経を迎えます。さらに加齢といった条件も加わってしまいます。減ってしまうことは自然現象でもあるのでどうようもないことです。
そこで注目して欲しいのが、女性ホルモンをサポートする、といった考え方です。完全に補うことは出来なかったとしても、減る量を抑制できれば抜け毛量は緩やかになります。薄毛の進行も食い止められますし、身体のバランスも安定するので薄毛が改善する、といったことも考えられます。
問題は、どのような成分が含まれている育毛剤でホルモンバランスを整えるのか、ということです。
【女性ホルモンのサポート機能が期待できる成分例】
- 大豆イソフラボン
- プラセンタ
- ビタミンB6
- ビタミンE
- ヒオウギエキス
- エチニルエストラジオール(ザクロエキス)など
上記した成分は、女性ホルモンの分泌に関わっている成分であったり、構造が似ていたり、といった特徴があります。
ホルモンに作用するということは、何かしらの副作用があるのではないかと考えてしまうかもしれません。基本的に自然界にある成分を利用しており、仮に摂取したとしても緩やかな作用を与えるものです。重篤な副作用が出る、とは考えられていません。
ちなみに、上記の成分の中には、育毛サプリメントに含まれているものもあります。女性ホルモンをサポートするためには、単に頭皮から塗布だけでは効果が薄いこともあります。そのような場合には、育毛プリメントを利用したり、食品から摂取したり、といったことも考えましょう。
血行を促進して髪の毛を元気にしよう
前述したように、髪の毛は血液によって栄養を補給しています。要は、毛母細胞に髪の毛を作るための栄養素がしっかりと送られなければ髪の毛は生えてこない、といった状態になってしまうのです。
女性ホルモンは血行促進作用もあるので、更年期障害を迎えてしまうと、どうしても髪の毛が生えにくくなってしまうのです。そこで血行促進作用のある育毛剤の出番となります。
育毛剤に関しては基本的に血行促進成分が含まれています。しかし、特に更年期障害を迎えた女性には血行促進成分が重要です。強化されているタイプのものを選択して下さい。
【血行促進効果が期待できる成分例】
- センブリエキス
- カプサイシン(唐辛子の辛味成分)
- ニンジンエキス
- M-034(海藻系のエキス)
- ジフェンヒドラミンHC
- ヒキオコシエキス
- ミノキシジル・・・医薬成分
血行促進成分は、基本的に血管を拡張させるような作用のあるものです。注意して欲しいのがミノキシジルです。育毛剤には含まれておらず、発毛剤に含まれているタイプの医薬成分です。
ミノキシジルは女性の利用も可とされているのですが、頭皮に影響を与えたり、強引に血管を拡張したりするので副作用も多く報告されています。
一方でその他の成分に関しては、育毛剤に含まれているものです。天然系の成分となっており、頭皮にも優しい物ばかりです。副作用のリスク、といったものはほとんど気にしなくても良い、とされています。
保湿して頭皮の環境を整えよう
更年期障害になると女性ホルモンのエストロゲンが減少してしまいます。エストロゲンはお肌にも重要な影響を与えています。減ってしまうとお肌の機能を著しく低下させてしまうのです。
結果的に乾燥しやすくなり、ちょっとした刺激でもお肌が炎症を起こすようになってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、保湿成分が含まれている育毛剤です。頭皮にうるおいを取り戻してやることで、頭皮トラブルが起こりにくくなります。髪の毛に栄養が送りやすい状態になるので、薄毛からの復活も目指せるのです。
ちなみに、更年期障害対策用育毛剤ですが、できれば”無添加タイプ”を選択して下さい、添加物を含んでいると、頭皮にアレルギー症状が出てきてしまう可能性があるのです。アレルギーが出てしまうと、育毛効果を阻害することになるので注意して下さい。
【保湿効果が期待できる成分例】
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
- センブリエキス
- イチョウ葉エキス
- アセロラエキス
- バイオポリリン酸
- びわの葉エキス
- ドクダミエキスなど
保湿効果のある成分は、ここに書ききれないほどあります。育毛剤をチェックして気になった成分があれば効果効能を確認してみましょう。保湿効果を持っている成分かもしれません。
抜け毛の症状を改善する育毛剤はこれ
乾燥肌も安心、無添加低刺激の成分
更年期障害による薄毛に悩んでいる女性は、無添加タイプの育毛剤を選択して下さい。無添加タイプの育毛剤であれば、頭皮に対して悪影響を与えにくい、といった特徴があります。
着色料や香料、さらに防腐剤といったものを含んでいると、頭皮の乾燥や湿疹が頭皮トラブルを招きます。アレルギー症状を引き起こす可能性もあるので、直ぐに利用停止をおすすめします。
乾燥肌や敏感肌である方は、なおさら無添加低刺激タイプの育毛剤を活用すべきです。
効果が認められている有効成分を配合
化粧品タイプのものが多い女性の育毛剤。化粧品タイプの育毛剤に挙げられる特徴をみると、厚生労働省に認可されているような効果的な成分は利用していません。一方で、育毛剤には医薬部外品タイプが有ります。こちらに関しては、厚生労働省に一定の育毛効果が認められている成分を利用しています。どちらが効果を期待できるのかは明らかでしょう。
効果が認められている有効成分を配合している、医薬部外品タイプの育毛剤を選択したほうが育毛への効果は高いといえます。医薬部外品タイプの育毛剤に関しても、無添加系のものは多くあります。刺激が強いのではないか、と心配している方もいるかもしれませんが、低刺激なので問題ありません。
頭皮の奥に浸透しやすい工夫がされていること
どんなに素晴らしい育毛成分を含んでいたとしても、頭皮の奥まで浸透しなければ意味はありません。
特に注目して欲しいのが、毛穴の奥まで到達できるのか、ということです。育毛剤の粒子が大きい場合には、毛穴の中に入り込めません。一方で粒子が細かい場合には、毛穴の奥まで育毛剤が到達できるわけです。
最近では、育毛剤のナノ化に成功しているものもあります。粒子が圧倒的に細かくなっており、毛穴の中まで育毛剤の成分が浸透できるように作られているのです。
女性の更年期障害が関わっている薄毛に関しては、ホルモンにも影響を与えなければ根本的な解決には至りません。皮膚の奥の部分にまでしっかりと有効成分を到達させる必要があるのです。なるべくナノ化に成功している育毛剤を利用しましょう。