AGAの薬はプロペシアとミノキシジルが有名育毛の基礎知識

AGA薬「プロペシア」と「ミノキシジル」の違いを詳しく解説

AGAの薬はプロペシアとミノキシジルが有名

AGA(男性型脱毛症)にお悩みの方なら、「ミノキシジル」と「プロペシア」の名前をご存知なのではないでしょうか。この2つは、どちらも日本で認可されているAGA治療薬です。

ミノキシジルとプロペシアのAGA改善効果は、さまざまなデータで実証されています。ただし、両者はどちらも同じ効果を得られるのかというと、そうではありません。2つの治療薬は、AGAへのアプローチ方法が大きく違っています。

アプローチが違えば、作用の仕方も異なるものです。となると、それぞれのもつ効果や特徴が気になるところですね。そこで今回は、ミノキシジルとプロペシアの違いをわかりやすく解説します。

最新AGA治療薬、ミノキシジルとプロペシアの違い

ミノキシジルとプロペシアの違いを知るために、まずはそれぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。両者の特徴を知ることで、作用の違いもよく理解できるはずです。

頭皮の血流に働くミノキシジル

ミノキシジルの特徴をごく簡単に説明すると、「頭皮の血流に働きかける医薬品」となります。ミノキシジルには、頭皮の血管を拡張することで血行を促進させる効果があるのです。

実はAGAを患っている方の多くが、頭皮に血行不良を抱えています。頭皮の血行が悪いと、血液に含まれる栄養が毛髪に行き届きません。栄養が届かなければ、毛髪は成長をやめてしまいます。つまり、血行不良による栄養不足が、薄毛の原因となっている場合があるのです。

このような原因で髪が薄くなっている頭皮に対し、ミノキシジルは血行を促進させることで毛髪に栄養を届かせてくれます。ミノキシジルは頭皮の血流に働きかけることで、毛髪の栄養不足を改善させてくれる治療薬なのです。

DHT抑制に働くプロペシア

プロペシアは、AGAとDHT(ジヒドロテストステロン)の関係に着目した医薬品です。DHTとは男性ホルモンの一種であり、かつAGAの原因と見られている物質でもあります。

通常、私たちの毛髪は数年単位の周期で生え変わりますが、DHTはこの周期を乱してしまいます。髪の成長期を縮めて、成長しきらないうちに抜け落ちさせてしまうのです。

ただ、DHTは無条件に発生するわけではありません。その生成には2型5αリダクターゼという酵素が関わっており、この酵素なしではDHTは生成されません。そして、プロペシアの主成分であるフィナステリドには、2型5αリダクターゼの働きを抑える効果があります。簡単にいうと、プロペシアはAGAの原因を元から断つ治療薬なのです。

AGA治療薬ミノキシジルについて

2種類あるAGA治療薬それぞれの特徴をご理解いただいたところで、あらためてミノキシジルについて詳しく見てみましょう。より詳しい情報を知ることで、この治療薬がご自身に適しているかどうか判断できるはずです。

作られたきっかけ、歴史

ミノキシジルは、米国のアップジョン社(現ファイザー製薬)によって1960年代に開発されました。ただし、当ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬時からAGA治療薬として開発されていたわけではありません。もともとミノキシジルは、血圧を下げるための経口薬として開発されていたのです。

降圧剤として研究が進んでいたミノキシジルでしたが、偶然にも開発途中で発毛効果が発見されました。その後の20年に渡る研究を経て、ミノキシジルは1980年代にAGAの外用薬として発売されたのです。

成分、作用

ミノキシジルは、AGA外用薬および内服薬の主成分です。市販のAGA外用薬にはピリドキシン塩酸塩やトコフェロール酢酸エステルなども含まれていますが、これらはあくまでミノキシジルの働きを補助するものに過ぎません。

ミノキシジルの基本的な作用については、先述したとおりです。より詳しくいうならば、この治療薬には毛母細胞の分裂を促進させる効果があります。血管拡張効果によって増大した血流に乗って養分が行き届けば、毛母細胞が活性化します。その結果として細胞分裂が促進し、毛髪が成長するのです。

処方

ミノキシジルを配合する外用薬は、ドラッグストアや薬局で入手できます。他方、同成分を含む内服薬に関しては、医療機関での処方によってしか入手できません。これは、ミノキシジルの内服薬に強い副作用があるためです。

もしミノキシジルの内服薬をAGA治療に活かしたいなら、最寄りのクリニックに相談してみてください。取り扱いのあるクリニックであれば、体質や体調をチェックした上で処方してくれるはずです。

AGA治療薬2種類の服用は可能?

プロペシアとミノキシジルは、どちらも確かな効果のあるAGA治療薬です。効果のある治療薬となれば、両方とも使ってみたくなるかもしれませんね。はたして、プロペシアとミノキシジルは同時に服用できるのでしょうか。

初期段階のAGA

先にご説明したとおり、プロペシアとミノキシジルは全く違うタイプの医薬品です。作用も大きく違うため、両者は併用できます。ただ、可能と必要はイコールではないですし、どちらか片方の服用で済むならそれに越したことはありません。

特にAGAが初期段階である場合は、治療薬をプロペシアに絞ったほうが賢明です。というのも、プロペシアで薄毛の原因を断つだけで、AGAを解消できる可能性があるからです。プロペシアで効果が出なかった場合のみ、ミノキシジルとの併用を考えてみてください。

進行中のAGA

AGAがかなり進行しているなら、最初からプロペシアとミノキシジルを併用しても問題ありません。両者の併用を推奨しているクリニックも存在することから、単体での使用よりも高い効果が期待できるはずです。

ただしプロペシアとミノキシジルを同時に使う場合は、かならず医師の処方を受けてください。両治療薬とも個人輸入で入手できますが、素人判断での使用はおすすめできません。

併用による副作用の不安

前述のとおり、プロペシアとミノキシジルは併用できる治療薬です。併用による副作用は、特に心配しなくてよいでしょう。ただし、各治療薬にそれぞれの副作用がある点には注意してください。

フィナステリドには男性機能の低下、ミノキシジルには不眠や不整脈といった副作用が報告されています。副作用が現れる確率は10%以下ですが、注意を払うに越したことはありません。

AGA治療薬を服用後、効果が出始める期間

本文の最後に、プロペシアとミノキシジルの効果を実感できるまでの期間について触れておきましょう。まずミノキシジルですが、この治療薬は3ヶ月以上継続して使用することが推奨されています。つまり、少なくとも3ヶ月ほど使用しなければ、その効果は実感できないということです。

ただ市販されている外用薬のデータによると、使用者の約80%が使用開始から半年で何らかの改善効果を実感しています。ミノキシジルを半年程度使用してみる価値は十分にあるのです。

他方のプロペシアも、効果が出始めるまでにミノキシジルと同程度の期間が必要となっています。このことからわかるように、2つのAGA治療薬はどちらも即効性のある薬ではありません。しかし、半年程度の使用で薄毛の悩みが解消できる可能性があることは確かです。薄毛にお悩みの方は、AGA治療薬の利用を検討されてはいかがでしょうか。