シャンプー育毛の基礎知識

朝シャンは抜け毛が増える?薄毛が気になるならNG

シャンプー

朝シャンをする人ってどのくらいいるの?

朝にシャンプーをするのは、1980年代に流れたとあるシャンプーのCMが始まりでした。女子学生が朝にシャンプーをする”朝シャン”を流行りにのせたきっかけです。今では、ふつうに朝シャンが定着していますが、どのくらいの人がしているのでしょう?

全体の3割が朝シャン派の調査データ

シャンプーのアンケート調査を行った9万5千人のサンプルデータを見てみると、朝1回行う人が全体の16%、朝と夜の2回行う人が全体の15%という結果。つまり朝にシャンプーを行う人は全体の31%ということだそうです。夜1回のシャンプーで済ませる人は68%ですから、それに比べれば少ない数字ですが、それでも3割を占める朝シャン派はわりと多いと言えるでしょう。

何で忙しい朝にシャンプー? そのわけとは

しかし、なぜ忙しく時間がすぎてしまう朝にシャンプーをしようと思うのでしょう?その理由として1つに挙げられるのが「寝ぐせを直すため」。たしかに、ひどい寝ぐせはちょっとやそっと濡らしただけでは治らないこともありますよね。そう考えると、水を滴らせながら濡らすよりも、いっそのこと洗ってしまったほうが早いと思わないではありません。

2つ目の理由として挙げられるのが、「寝起きの頭をシャキっとさせる」です。寝起きでボーっとしてしまうところにエンジンをかけないとスタートが切れない人にとっては、シャワーやシャンプーの刺激が切り替えの手段として最適だったりするのでしょうね。

3つめの理由には「シャンプーの香りを残したいから」があります。たしかに布団の中の寝ているときのニオイをまとったまま外に出るのは、気持ちよくない人もいるかもしれません。シャンプーのいい香りを漂わせて一日のスタートを切りたい気持ち、わからないはありませんよね。

最後にあげられるのが「前日の入浴を忘れた」です。飲みすぎたり帰宅が遅くなりすぎたりすると、お風呂に入らずに寝てしまうときもあります。その状態のまま家を出るのは、さすがに気持ちよくないと思えば、シャンプーやシャワーもしたくなるものです。

朝シャンをおすすめしない4つの理由

就寝中にはコップ一杯分の汗をかくといわれているし、何よりも皮脂をすっきりさせた頭皮状態で一日のスタートを切りたいと思われている方にとって、朝のシャワーやシャンプーは欠かせない肯定のひとつかもしれません。しかし、薄毛を気にする人にとっては、あまりよくないといわれています。その理由がいくつかあるので見ていきましょう。

1) 思ったより洗髪がしっかり行えない

手入れ

忙しい朝に髪を洗うという行為は、どうしても丁寧にシャンプーを行うのが難しくなってしまうでしょう。時間が気になってしまうから、泡立てを丁寧に行えなかったり慌てながらゴシゴシ洗ったり、シャンプーの泡をきちんとすすいで洗い落したつもりが流しきれてなかったりと、汚れやシャンプー自体が地肌に付着したままの状態になっていることがあります。

汚れが残った頭皮は、抜け毛の原因に……

まず適当にシャンプーを行うと頭皮の汚れが取りきれず、臭いの原因になります。そして毛穴に汚れがびっしりと詰まった状態のところに、落とし切れなかったシャンプーの成分が合わさってしまうことにより、雑菌が繁殖しやすくなってしまうのです。

また朝の時間がないと、急いで頭皮や毛髪をこすってしまいがちになるでしょう。地肌を傷付ける結果となり、炎症の原因にもなってしまいます。急いでしまったことが理由で、抜け毛を引き起こしてしまうという原因になります。

2) 毛穴に刺激が強い

寝ている間、私たちはよく汗をかいているので、朝起きたばかりの毛穴は開いている状態となっています。その開いた状態の毛穴をシャンプーで洗うと、強い刺激を与えてしまいかねません。刺激が強すぎた場合、それほど強くこすって洗ったつもりはなくても、シャンプーがしみたり、なぜか痛みが生じたり炎症を起こす原因となります。

また、時間がない中で開いた毛穴に入り込んだシャンプーの泡を全て完璧に流しきるのはとっても難しいことでしょう。

3) 庇護膜(ひごまく)で紫外線からガードできない

朝の時間に髪を洗うと、庇護膜が生成される前に外出することになります。庇護膜とは、髪や肌にとっては大敵とされる紫外線から保護する役割を担っているのですが、生成には脂成分が分泌される時間を要します。

通勤前の時間などに朝シャンを行うと、この庇護膜が出来上がる前に外出することとなり、紫外線に直接髪や頭皮をさらす結果となってしまいます。すると髪が傷みやすく頭皮に与える衝撃も強いため、抜け毛が増える結果となるのです。

ですから、ある程度庇護膜が生成されてから外出するためには朝シャンは適さないということになります。

4) 毛穴の皮脂や汚れをためたまま夜寝てしまうこと

成長ホルモンが分泌されるのは、夜眠っている間になります。ですが、この髪の毛の育成に関わる大切な時間に毛穴の汚れや皮脂を詰まらせたままにするのは、髪の育成を行ううえでの妨げになります。

睡眠

朝シャンはもちろん、朝にシャンプーをするので、その日の一日の汚れを取るのは次の日の朝ということですから、髪の育成のために毛穴や頭皮を、一番清潔にしておきたい睡眠時間中が、一番汚れのひどい時間帯ということになります。そのため、抜け毛を引き起こす原因となりやすいのです。

また、夜髪を洗わないことですっきりしないまま眠ることになり、リラックス感が失われてしまいます。ぐっすりと眠れない状態は抜け毛をすすめてしまう原因のひとつに考えられるでしょう。

髪の育成のためには夜しっかりとシャンプーをして、副交感神経が最も活発になる状態に整えることが大切でス。そして成長ホルモンが分泌される睡眠時間中には、清潔な毛穴や頭皮を確保しておくように心がけましょう。