アボダートの働きや副作用育毛剤の種類

アボダートとは?AGAにプロペシアより効果的!

アボダートの働きや副作用

男性の薄毛や抜け毛の代表的なものに「AGA(男性型脱毛症)」というものがあります。AGAは男性ホルモンが深く関わっているため、そこにアタックすることによって改善が期待できます。育毛剤もAGA特有の原因に作用するものがいくつか出回っています。そのひとつが「プロペシア」ですがこの育毛剤よりも効果的という意見が多くあるのが「アボダート」という育毛剤です。
ここではそんな「アボダート」とはどのような育毛剤なのか、詳しくご紹介します。

AGA改善が期待できる育毛剤アボダートとは?

育毛剤には外用と内服のものがありますが、アボダートは内服するタイプの育毛剤です。またアボダートはアボルブとも呼ばれます。
イギリスのグラクソ・スミスクラインという会社が製造と販売行っているのが「アボダート」です。現在のところ世界85カ国で育毛剤として処方されている信頼できる薬です。もともとは前立腺肥大症の治療の薬として開発されて使われており、アメリカFDAの認可もあります。
アボダートに含まれている有効成分「デュタステリド」で前立腺肥大の治療に使っていたところ、発毛効果が見られたためその後育毛剤として使われるようになりました。日本のお隣・韓国では、2009年にすでにAGA治療薬として認可されています。

日本では育毛剤としては未承認

ただし日本では育毛剤としては認可されていません。前立腺肥大症治療薬として認可が下りていますが、薬品の名称もアボダードではなく「アボルブ」です。現在日本では、製造元のグラクソ・スミスクラインと大鵬薬品工業が共同で販売を行っています。大鵬薬品工業は泌尿器科の薬品に多くの実績と経験があることから、このような体制となっているようです。

アボダートの作用のメカニズム

男性ホルモンが強いと薄毛や抜け毛になる傾向があると考えられていますが、最近ではさらに細かい原因が解明されてきています。AGA(男性型脱毛症)の場合は男性ホルモンの「テストステロン」が脱毛を誘引してしまう酵素である「5αリダクターゼ」と結びついてしまうことで起こります。
テストステロンと5αリダクターゼが結びつくのを抑えてくれる働きがあるのが「フェナステリド」というものです。アボダートにはフェナステリドよりさらに強力な「デュダステリド」が主成分として採用されているためフェナステリドが主成分のプロペシアより大きな効果が期待できるのです。

フェナステリドよりデュダステリドの効果が高い理由

フェナステリドが主成分のプロペシアはAGA育毛剤としても最も有名といえます。しかしそれよりもアボダートは効果が高いと言えるのは主成分の効果の大きさの違いがあるからです。ではプロペシアの主成分であるフェナステリドよりもアボダートの主成分である「デュダステリド」がより効果的な理由はどういうことなのでしょうか。
テストステロンと結びつくことで脱毛を促してしまう酵素「5αリダクターゼ」は、実はⅠ型とⅡ型があります。フェナステリドもデュダステリドもいずれも「5αリダクターゼ」がテストステロンに結びつくのを抑えるのは同様です。しかしながら「フェナステリド」は「Ⅱ型5αリダクターゼ」の一方だけしか結びつくのを阻害できません。「デュダステリド」は「Ⅰ型5αリダクターゼ」「Ⅱ型5αリダクターゼ」いずれにもアタックでき、結びつきを阻害できるのです。
だからデュダステリドが主成分のアボダートのほうが、AGA治療にはより効果的なのです。

プロペシアの約1.5倍の効果を発揮するアボダート

AGAは、「ジヒドロテストステロン」が毛母細胞の働きを低下させることが原因と言われています。
「ジヒドロテストステロン」とは、男女問わずヒトの体内に存在する男性ホルモン「テストテロン」が「5αリダクターゼ」と結びつくことで生成される物質です。この「ジヒドロテストステロン」が毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくと、髪の毛の成長が抑制されます。

アボダートは「Ⅰ型5αリダクターゼ」「Ⅱ型5αリダクターゼ」どちらにも作用し、ジヒドロテストステロンが毛包のレセプターと結合するのを防ぎ、抜け毛・薄毛の症状を抑制します。

またフェナステリドは頭頂部と前頭部に起こる脱毛を抑えることは得意ですが、それ以外の部分への効果がやや低いというデータがあります。「デュダステリド」の場合は頭頂部、前頭部に加え側頭部や後頭部の抜け毛についても効果が高いのです。
頭髪全体のAGA起因の抜け毛にアタックできるのがアボダートの大きなアドバンテージ。アボダートとプロペシアで効果を比較すると、おおむね1.5~1.6倍ほどもアボダートのほうが効果が高くなると言われています。

アボダートの効果的な使い方

内服タイプであるアボダートには、より効果的な使い方があると言われています。せっかく使うならしっかり効果が実感できる方がいいものです。ここでアボダートの効果的な使い方をおさらいしておきましょう。

水か白湯(ぬるま湯)で服用する

内服するものはサプリでも薬でも同様ですが、基本的に「水」以外のものでの服用はNGです。アボダートの場合も水か白湯で服用しましょう。お茶やコーヒーといったもので服用するとせっかくの効果的な成分が効かなかったり、問題を起こすリスクが発生します。

毎日できるだけ同じ時間に服用する

アボダートの用法は「一日一回の服用」となっています。サプリなどで一日三回などというものがありますが、このような場合でも基本的に「毎日同じ時間に服用」が効果的です。なぜなら体内のサイクルは健康な人の場合いつも同じですので、毎日同じ時刻に成分が入ってくるほうが体も対応しやすくなるからです。
アボダートの場合は一日一回のみの服用で用法には「何時頃飲む」などという細かいことは記載されていません。なのでいつにするかは自分が服用しやすい時間に毎日服用すればOKです。一定の時間を決めて服用すれば、体内にいつも同じレベルの成分が摂り込まれることになり、効果が持続するのであらかじめいつ頃飲むか決めて毎日服用しましょう。

飲み忘れせず用量を守ること

アボダートは医薬品で発毛の効果が認められた内服薬ですので、きちんと用法と用量を守ることが大事です。ただしうっかりして「飲み忘れ」してしまうこともたまにはあるかもしれません。飲み忘れしたらつい次回に「二日分」を飲もうかと考える方がいるかもしれませんがこれはNGです。
一回につき規定量より多く体内に摂り込んでしまうと「副作用のリスク」が高まりますので、飲み忘れしたときはいつもと同じ量を服用、その後飲み忘れしないことです。飲み忘れるとせっかく毎日一定量の効果的な成分が入っていたものが途切れることになり効果が下がります。忘れっぽい方は何らか対策し飲み忘れしないようにしましょう。

アボダートを使う際の注意点と副作用

各国でAGAの治療薬として効果が認められている「アボダート」ですが、効果的であるが故の注意点や、副作用リスクも知っておく必要がありそうです。ここではアボダートを使う場合の注意点と副作用リスクを確認しておきましょう。

女性は使ってはいけない

AGAと同じような原因で女性にも薄毛が進行する「FAGA(女性男性型脱毛症)」というものがあります。FAGAになったらホルモンに作用するアボダートなら改善できるのでは?と考える方がいるかもしれません。しかしアボダートは女性は基本使えません。特に妊婦や妊娠の可能性がある方、授乳中の場合はリスクが高まると言われています。
女性は基本的にアボダートは使えないものと理解しておきましょう。

肝機能障害がある方もNG

また肝機能に障害がある方もアボダートと使うと副作用リスクが高まりますので、AGAを改善したい場合でも使ってはいけません。少しでも肝機能の部分に心配がある場合は、使う前にかかりつけの医師と相談して使うようにしてください。

前立腺がん検査の受診時は注意

アボダートには発毛促進の有効成分のデュダステリドが含まれています。デュダステリドは前立腺がんの検査のPSA値を半分ほどに引き下げる働きがあるため、検査の際に服用していると正確な数値が出ません。なのでもし前立腺がん検査を受ける場合は先に医師にアボダートを服用していることを申告しておく必要があります。

アボダートは国内未認可、偽造品に注意!

日本ではまだ育毛剤としてはアボダートは未認可です。国内でもしアボダートを入手するとしたら、病院で診てもらった後処方箋を発行してもらう必要があります。病院で入手するのはやや面倒ですので、入手方法は個人輸入を利用するケースが多くなっています。
個人輸入なら割と手軽にアボダードを入手可能ですが購入可能な数には限りがあります。さらに海外から輸入する医薬品の中には偽造品があるという話もあるので、偽造品だと効果が得られないばかりか健康被害が起こるリスクも考えられます。こういったことも知っておき十分注意する必要があります。

医薬品副作用被害救済制度は対象外

さらに知っておきたいのは、個人輸入は「医薬品副作用被害救済制度」が使えないということです。国内にて処方の薬の場合は用法や用量をきちんと守っていて何らかの副作用があった場合は、年金や医療費などで救済する制度があります。これが「医薬品副作用被害救済制度」ですが個人輸入で入手した薬品の場合は「医薬品副作用被害救済制度」の対象外です。
副作用や健康被害があっても治療にかかる費用は自己負担になります。

アボダートで起こりうる副作用

アボダートには有効成分「デュダステリド」が含まれていますので、この成分による副作用のリスクはゼロとは言えません。どのような副作用が起こる可能性があるのか確認しておきましょう。

アボダートによる副作用と発生率

症状 発症率
乳房の女性化・乳房障害

1.5%
精力の減退 1.7%
勃起不全 3.2%

海外では上記のような副作用の報告がありますが、発生率は意外と少ない感じもします。ただし日本ではアボダートは育毛剤としては未認可ですので、「アボルブ」で臨床試験が行われています。臨床試験データによるとアボルブ服用によっておよそ1割程度の人が、何らかの不具合を感じたという報告もあるため、使う場合はある程度注意も必要です。

アボダートは耐性はないと考えてよい

副作用と並行してユーザーが気になるのはアボダートには「耐性」があるのか?ということではないでしょうか。耐性とは同じ薬を長く使い続けることで、それまで感じられた効果が薄れてしまうということです。しかしアボダートの場合は耐性はないという報告がありますので、これに関しては心配しなくてもよいでしょう。

アボダートの特徴や注意点を理解し賢く育毛を

プロペシアよりもAGAの治療の効果が期待できる「アボダート」ですが効果が出るメカニズムや副作用、注意点など理解いただけたのではないでしょうか。うまく使えばAGAでも効率的に発毛を促すことができそうです。
またAGAの原因は男性ホルモンの結びつきだけでなく、生活習慣や食習慣も関わっていると考えられますので、ほかの原因も再確認してより効果的な育毛を心がけましょう。