女性の薄げ向きな育毛剤・スピロノラクトン育毛剤の種類

スピロノラクトンの特徴|女性男性型脱毛症(FAGA)治療に効果的

女性の薄げ向きな育毛剤・スピロノラクトン

ストレスが多い現代は、男性だけでなく女性までもが抜け毛や薄毛に悩むことが増えていると言われています。男性の脱毛症といえば「AGA(男性型脱毛症)」というものが知られていますが、これと同様のような薄毛が実は最近女性にも見られるようになってきました。それが「女性男性型脱毛症(FAGA)」です。ここでは「女性男性型脱毛症(FAGA)」とはどういったものなのか、またこの脱毛症に効果的といわれている「スピロノラクトン」というものについて詳しく見ていきましょう。

スピロノラクトンとは?

あまり耳慣れない名前ですが「女性男性型脱毛症(FAGA)」に効果があると言われている「スピロノラクトン」とはいったいどういうものなのでしょうか。まずはそこから確認してみましょう。

「スピロノラクトン」とは実は内服タイプの利尿薬のひとつで、もともとは高血圧の方の治療薬として使われていたものです。
腎臓によってろ過した原尿から一般的にはナトリウムが再吸収されるときに水分が吸収されるものなのですが、このナトリウムが再び吸収されないようにする作用があることで水分が再吸収されていくことも防ぐことになり、結果的に尿の排出を促すことができます。

一般的な利尿薬のほとんどはナトリウムと一緒に「カリウム」も排出してしまうものなのですが、それによって「低カリウム血症」になるリスクが出てくるケースがあります。ですがこの「スピロノラクトン」の場合は「カリウム」を排出してしまわず保持したままで、ナトリウムと水分を排出できるのが大きな特徴です。

この「スピロノラクトン」の働きによって尿が排出されていくことで、血液の量も減ります。すると血管にかかっていた圧力も下がることから、高血圧の方の血圧を下げる薬として用いられています。同様にむくみを改善する薬としても使われています。

女性男性型脱毛症(FAGA)にスピロノラクトンで期待できること

利尿剤として用いられている「スピロノラクトン」が育毛にどのような効果が期待できるのでしょうか。育毛に関する具体的な効果について確認してみましょう。

DHT(ジヒドテストロン)がレセプターと結合するのを抑える

男性型脱毛症の「AGA」の原因と言われているのは、男性ホルモンである「テストステロン」が「5αリダクターゼ」の作用で脱毛の作用を持つ強い男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化することでへアサイクルが狂ってしまい抜け毛が起こるためです。

健康な状態であれば髪は数年間成長をし続けすものなのですが、サイクルが狂ったことによって半年から一年程度の短期間で抜けてしまうようになります。もう少し詳しく解説すると「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛乳頭の「アンドロゲンレセプター」と結びついて「トランスフォーミング増殖因子(TGF-β)」という脱毛因子を誘発してしまうことで頭皮の細胞分裂が抑えられてしまい、休止状態の毛包が大半の状態になってしまい、生えてきた髪も細く軟らかく力のないものになってしまう…ということでどんどん薄毛になるのです。

しかし「スピロノラクトン」には黄体ホルモンである「プロゲステロン」に似た作用を持ち合わせているため、この作用によって抜け毛を防げると言われています。

女性ホルモンに似た作用が働くと、「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛包に作用するのを防ぐことができることから、これによって薄毛が進むのを防いでいくことが期待できます。

この作用は男性の「AGA」だけでなく女性男性型脱毛症(FAGA)にも同様のアプローチができると言われています。特にホルモンバランスの乱れが大きく影響して女性男性型脱毛症(FAGA)が進んでいると考えられる場合は、大いに試してみる価値があるでしょう。

髪の成長の期間を延ばす効果

薄毛や抜け毛になる原因はホルモンバランスが乱れることも大きく影響しています。体内のサイクルが狂ってくると血流も悪くなり、ヘアサイクルも乱れます。そうなってしまうとせっかく生えてきた健康な髪をしっかりと維持できなくなってしまい、抜け毛の量が増えることになります。

スピロノラクトンは先ほど男性ホルモンが変化し毛包に脱毛を働きかけるところで抑制する働きがあると説明しましたが、このような働きがあることで成長段階の髪にもよい作用を与えてくれます。ヘアサイクルの乱れの改善につながり、それによって髪の成長期の期間そのものが長くなることが期待できるのです。
また髪の毛そのものが丈夫になる効果も期待できます。

スピロノラクトンで考えられる副作用・リスク

「女性男性型脱毛症(FAGA)」の場合の対策となるといわれている「スピロノラクトン」ですがこれを使うことで何らかの問題が起きることはないのでしょうか。ここではスピロノラクトンを使用したことで起こりえるリスクや副作用についてみていきましょう。

高カリウム血症のリスク

スピロノラクトンはカリウムを保持した状態で水分を排出するといった特性から「高カリウム血症」という血液のなかのカリウムの濃度が高くなる症状を起こすリスクが考えられます。カリウムは体内には一定の量が必要なものではあり、適度にあることによって神経の状態をうまく保つという働きを持ちます。さらに細胞レベルの浸透圧を調節する働きや、筋肉の収縮にも深く関わっているものです。ですが濃度が高くなってしまうと以下のような副作用的な症状が現れます。

  • 不整脈
  • しびれが起きる
  • 知覚過敏になる
  • 筋力が落ちてしまう
  • 下痢や嘔吐などの胃腸の不調
  • 吐き気や動悸、悪心など

さらに重篤な高カリウム血症になると命にかかわる状況に陥ることもあるため、個人差によっては体内のカリウムのバランスを考慮して慎重に使う必要があります。

低ナトリウム血症のリスク

またスピロノラクトンがもつ特性から血液中のナトリウムの濃度が少なくなってしまう「低ナトリウム血症」というものを起こすリスクもあります。低ナトリウム血症を起こすと以下のような副作用的な症状が現れることがあります。

  • 食欲の低下
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 身体のだるさ

またこの症状がひどくなると筋肉がけいれんを起こしたり、意識障害に至るケースや昏睡状態になって命に係わるケースもありますので、おかしいなと思った段階ですぐに医療機関で相談することがとても大事です。

発疹や日光過敏症が起こるリスク

スピロノラクトンを服用することで、個人差によっては皮膚に副作用的なトラブルが起こることもあるそうです。日光など紫外線に過敏になったり、発疹がでることもありますので、もしこのような異常が見られた場合はすぐに使用を中止し、医療機関などで相談するようにしましょう。

ホルモンにかかわる副作用も

女性ホルモン様のはたらきをすることで薄毛対策になるスピロノラクトンですが、そういった作用があることから個人差によっておこりえる副作用もあります。これは男性と女性とでは多少違いがあります。

性別 起こりうる副作用
男性 女性化といえるような状況が起きる。具体的には性欲の減退や乳首が腫れてくるなどで痛みを生じるといったことがある。
女性 個人差でホルモンバランスが不安定になる場合がある。生理不順・不正出血・乳房の痛み・多毛症などが起こることがある。

ただしスピロノラクトンによる作用はよい効果も副作用的なものも、服用をやめるとすぐにおさまります。ですので問題と思われる症状が出た場合は速やかに服用をやめて様子をみましょう。

長期服用での発がん性のリスク

薄毛対策での実績ではありませんが、スピロノラクトンを長期にわたって内服していた場合に、男性女性に関わらず「乳がん」が発生したという報告があるそうです。さらに動物を使った実験でも長期にわたっての使用により、肝臓部分に増殖の変化が現れたり、内分泌の臓器部分に腫瘍ができるといった変化の報告もあります。
ですので育毛目的に関わらず長期間服用することはおすすめできません。

スピロノラクトン内服は自己判断での使用は要注意

また「スピロノラクトン」は個人輸入やインターネットでも入手ができるようですが、自己判断での使用はやや注意が必要です。以下のような方が使用するのは問題があります。

  • 18歳以下の方
  • 高齢者の方
  • 妊娠中、あるいは妊娠している可能性がある方
  • 心臓病の方
  • 腎臓病の方
  • 急性腎不全の方
  • アジソン病の方
  • 成分に対して過敏症の方

作用や特性を充分に理解し、自身の健康状態や数値を把握したうえで使うことが望ましいといえます。何らかの数値に異常がある方は、薬剤師やかかりつけ医などに相談してから使うようにしましょう。

外用のスピロノラクトンは、副作用が起こりにくい

実は内服薬だけでなく外用薬もあり、外用薬は内服に比べて副作用が起こりにくい傾向にあります。これはなぜかというと、体内に摂り込むのではなく、外用ですとピンポイントに狙った部分に作用するために全身的な副作用が起こりにくいからということです。スピロノラクトンを育毛目的で考えている場合で副作用リスクが気になるという方は、外用薬を試してみるとよいかもしれません。

健康面に問題がなければスピロノラクトンは女性の薄毛に効果的

女性男性型脱毛症(FAGA)でお悩みの女性には薄毛対策となる「スピロノラクトン」は口コミ評価を見ても、効果を実感している方が多いようです。健康面で数値などに問題がない方で薄毛でお悩みの女性なら、対策として有効といえそうです。ただしその特性から薄毛対策以外の効果や副作用的なことが起こる可能性もありますので、個人差によっては注意が必要といえます。

効果を期待し使ってはみたいものの副作用が気になるという方は、外用タイプのスピロノラクトンを検討するほうが良いかもしれません。特性やリスクを正しく理解したうえで使うように心がけましょう。